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キャンパスライフ2017.12.19

2017年度 法学部政治学科主催 政治講演会

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11月2日(木)、政治学科主催の政治講演会が白金校舎3201教室で行われました。

今回のテーマは、「日本におけるポピュリズムを問う」でした。ポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳され、民主主義に付随してくる観念です。このポピュリズムによる現象はいま、世界各地で、市民のグローバリズムへの「怒り」にカリスマ的リーダーや革新的政党が呼応する形で起こっています。一方、日本においては、小泉政権以後、「日本型」のポピュリズムが台頭する場面も多くなりました。郵政解散、政権交代…など各シーンでカリスマ的リーダーが国内問題に対する国民の「怒り」を吸収して政治を執ってきました。

 ポピュリズムによって、日本の政治史は進展した面もあったが、それは本当に良いことなのでしょうか。例えば、財政問題においては、赤字解消のために給付を減らし、増税をしても反対にあうため、打開策を立てることができないのではないでしょうか。反対を恐れて課題から逃げてきたことによって、日本政治は大衆迎合してきたのではないでしょうか。他においても、国民を惹きつけることに重視しすぎて、真の問題が置き去りにされていないでしょうか。本当に問題となっている事柄を国民に上手く説明できていないのではないでしょうか。

今回はこのような「日本型」のポピュリズムについて、政治を執る側、メディア、国民の3つの目線から見ていくことにしました。民主党政権時代に増税という形であえてポピュリズムを否定する政治を行った野田内閣において、民自公三党合意を行ったときの財務大臣を務めた城島光力氏と、TBS系列において長年メディアの第一線で活躍し、その後現在は国会議員を務めます杉尾秀哉参議院議員をお招きして議論しました。

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第一部では、ポピュリズムの意義というタイトルで、日本の政策からポピュリズムの功罪について、城島氏と学生でパネルディスカッションを行いました。まずは、ポピュリズムの光と影についての議論から始まり、日本の政策からポピュリズムを見たとき、どちらの側面が強いかについて議論しました。城島氏自身は民主党政権末期に国対委員長・財務大臣を経験され、税と社会保障の一体改革や三党合意を行ったことから、次の選挙ではなく長い視野で政治を見ることの重要性、単純化していく中でも論議を詰める重要性について強調されていました。

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第二部では、メディアとポピュリズムというタイトルで、メディアが世論とどのような関係性を持っているのか、極端な報道が起こる問題についてのほか、政治家・メディア・国民の3方からポピュリズムをどう克服するのか、城島氏に加え杉尾議員も交えパネルディスカッションを行いました。メディアは視聴率を使って世論の空気を見る特徴があり、テレビがショーで割り切ることの重要性を杉尾議員が強調されていました。城島氏は政権が変わっても責任は有権者にあり、自分がどうしたいかをもとに決めることが重要だと強調されていました。日本には多様な言論と表現の自由があって、一人一人が流されずに臆することなく物を言う重要性や主権者教育の重要性についても話題に上がりました。また、政治家も選挙戦術の重視から、政党の情報や政策の立案に工夫を凝らし、市民との交流を増やすことにシフトしていく必要性についても議論しました。

日本のポピュリズムは、国内問題に端を発し、キャッチフレーズやメディアに流されやすく、一時の流行で終わってしまう側面がある。この中で、政治家は次の選挙だけでなく長い目線で、また普段から有権者と相対する機会がより必要であり、また国民も誰もが権利を持っていて当たり前だという認識ではなく、権利に責任を持つ。自分ならどうしたいか当事者目線で物事を見ながら、臆することなく意見を示す、また多様性を尊重することが大事であると感じました。

最後に、野党分裂を伴う衆議院選挙が発生する中、政治講演会の開催までご尽力いただいた、政治講演会委員会メンバー、前年度の先輩方、フレッシャーズキャンプ委員を務める後輩方、政治学科の教授陣、法律科学研究所をはじめとする大学職員の皆様、同時並行で学園祭を行っていた白金祭実行委員の皆様、城島氏、杉尾議員、政党スタッフ、メディアの方々と当日足をお運びになられた来場者の皆様に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

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2017年度政治講演会委員会委員長
松澤 侑大