*これから渡航される方・滞在中の方へ 参考になればと思い、執筆させていただきました。
*あくまでも私自身の体験ですので、緊急時は必要に応じて現地の救急サービスを利用してください。
伝えたいことを簡単にまとめると・・・
- 現地の病院は簡単には利用できない
- イギリスでは市販薬を用いて自然治癒させる方法が一般的
- 危ないと思う前に、現地の救急サービスについて調べておくべき
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私はイギリスに渡航してから、約1週間 経った日に風邪をひきました。
その日朝起きると、喉がイガイガするような違和感があり、はじめは寝室の湿度が乾燥していることが原因であると考えていました。
比較的日本でも起こりやすい喉の違和感であったため、水分を摂っていればそのうち改善するであろうと思っていましたが、そんなことは全くなく、むしろ悪化していく一方でした。金曜日ということもあり、学校や街中はフットボールの試合で賑わっていましたが、あいにく私は体調不良のため、その日はまっすぐ寮に戻りました。
日本からいくつか風邪薬や胃腸薬は持参していましたので、風邪の引き始めに飲むとよいとされている総合風邪薬を服用しました。
何度かこの薬を服用していれば多少は症状が良くなるかと思っていましたが、決してそんなことはありませんでした。
次の日になっても、朝から喉の痛みが強く、このとき初めて「“海外”で風邪を引いてしまった」と確信しました。また、時間が経つにつれ、喉の痛みが前日よりもさらに強くなり、38℃近い発熱も起こしました。
解熱鎮痛薬が喉の痛みと発熱に作用すると知っていたため、その日の夕方からは苦痛に我慢ができず、服用しました。
また、これとは別に、現地では喉の痛みがあった際によく用いられる飴タイプの医薬品をTESCO(コンビニエンスストア)で購入していたため、日中から服用していました。
これらすべての薬を用法・用量を厳守してしっかり服用し続けていれば、そのうち改善するだろうと考えていました。
しかし、その願いも叶わぬものとなってしまいました。
発症から3日経っても症状は全く改善しておらず、むしろ、めまいと倦怠感に襲われ悪化していました。
自分なりにインターネットで症状を検索し、風邪(扁桃炎等)なのか、あるいは溶連菌感染症や新型コロナウイルスが原因なのかなど調べ尽くしました。しかし、医師ではない自分にとっては詳しいことはわからず、不安と苦痛の時間を過ごしました。
また、薬に関しても、病状によっては抗生物質(処方箋が必要)の服用が必要なため、渡航する際に配布された、ガイドブックに記載されている保険会社に病院に行きたい旨を伝え指示を仰ぎました。しかしながら、提携病院等ですぐに対応できるのが首都であるロンドンのみとのことで、病院に行くのは諦め、翌日にリーズ市街のドラッグストアへ行くことを決意しました。(仮に病院へ行くことができても重症でないとまともに診てもらえない or 受診にかなり前からの予約が必要など複雑であったため)
私が向かったのは『Boots』と呼ばれるドラッグストアです。
イギリスでは、ドラッグストアが日本のクリニックといっても過言ではないほど、大きく機能しており、日本では処方箋が必要とされるような薬なども、薬剤師さんを通じてであれば、処方箋なしで購入することができます。(例外あり)
私は医療系の英語に自信がなかったので、ルーズリーフに『いつから?どんな症状が?薬の服用は?』といった自分の症状を時系列にまとめ、薬剤師さんに掲示しながら説明しました。
その際、「NHS(日本でいう国民健康保険のようなもの)に加入しているか?」や「処方箋は持っているか?」などいくつかの質問をされました。
そして、薬剤師さんの観点で適切であろう薬が処方され、薬の説明を受け、無事に購入することができました。
(*“病院で“ 診察をしていないため、症状に応じるための”対症療法“となります。明らかに症状がおかしいと感じた場合や命に関わる状態の場合は、躊躇なく緊急外来の病院を受診することや救急サービスを利用すべきです)
実際に処方された薬を服用してみると、症状の改善がみられました。
効果に関しては、日本の薬よりも海外の薬のほうが強いと言われますが、それは本当で、用量をしっかり確認して多量摂取にならないよう注意しなければならないと実感しました。
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以上が、私が初めて海外で体験した数日間です。
日頃から風邪を引かないよう、手洗いうがい・手指の除菌といった基本的な対策は徹底的に行っていました。
しかしながら、前週は渡航のための移動が多かったことや、慣れない環境での生活、気温の変化、疲れなど様々な要因が重なり体調を崩してしまいました。
この体験から、大きな環境の変化があった際には、いつも以上に体調管理に注意し、特に最初の1週間は睡眠と無理をしないことを意識して生活することが重要であると学びました。
*可能であれば病院への受診をし、重症化を防ぐためにも適切な治療を受けることが最善です。(T・S)