歴代の学科主任報告
消費情報環境法学科の近況報告
鶴貝 達政
2000年に設立された消費情報環境法学科は、今年で十年目を迎えました。00JC生から始まった入学生は、09JC生となり、4月から大学キャンパスで学生生活をスタートさせました。また、多くの卒業生は、多岐に渡る分野で活躍しております。学科の近況報告として、実施して2年目となった入学前教育とインターンシップ制度に加えて、就職状況についてご報告いたします。
1.入学前教育の実施
推薦入試合格者およびAO入試合格者に対する入学前段階での教育を充実化させるため、2007年度より実施しております。本年度は、その2年目に当たり、2009年度入学手続が確定した推薦入試合格者104名を対象とし、2008年12月下旬から2009年3月下旬にかけて入学前教育を行いました。その概要は以下の通りです。
大学教育のイメージを体験させることと、大学での学習の基礎となる読解力および文章作成能力の養成を目的として、次の3冊の新書を課題図書として選定し、それぞれについて2000字程度のレポート課題を提出することとしました。
① 竹内 一正 『グーグルが日本を破壊する』(PHP新書)
② 姜 尚中 『悩む力』(集英社新書)
③ 五十嵐 仁 『労働再規制―反転の構図を読み解く』(ちくま新書)
①は本学科の基礎教育の1つの柱である情報の分野に関する課題図書、②は大学生になった際の教養の基礎として読んでもらうための課題図書、③は本学科の専門教育への1つの導入として取り組んでもらうための課題図書です。
2.インターンシップ制度
インターンシップとは、学生が実際の職場で実習を行って、自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行う制度のことです。消費情報環境法学科におけるインターンシップ科目の実施概要は、以下のようになっております。
① インターンシップ受入先一覧を作成、掲示をして、春学期の履修登録に合わせて学生の募集を行います。
② 応募した学生の面接を行い、応募動機などを聴取し、履修決定を行います。
③ 受入団体と、個別の実習日程、実習内容などのすりあわせを行います。
④ インターンシップの心構え、各受入団体の実習内容などを説明する事前研修を行います。
実際に現場で実習を実施します。
以下の表は、2009年度の受け入れ先一覧です。
〔2009年度消費者法関連インターンシップ受入先と概要〕
実習先 | 所在地 | 実習内容 | 時期 | 実習人数 |
横浜市役所 |
横浜市中区港町1-1
|
消費者政策関連業務の実習・見学・補助等 |
2009年8月~ 9月 |
2~3人 |
盛岡市役所 |
岩手県盛岡市肴町2-29 |
消費生活相談業務の実習・見学・補助等 |
8月~ 9月 |
1~2人 |
野洲(やす)市役所 |
滋賀県野洲市小篠原2100-1 |
消費生活相談業務の実習・見学・補助等 |
8月~ 9月 |
1~2人 |
港区立 |
東京都港区芝浦3-1-47 |
消費者向け講座の補助 |
8月~ 9月 |
2~3人 |
独立行政法人 |
神奈川県相模原市弥栄3-1-1 |
消費生活相談員向け研修講座の補助 |
8月下旬 | 1~2人 |
財団法人 |
東京都千代田区三崎町1-3-12 |
月刊消費者の編集・消費者検定試験・各種講座の補助 |
8月~ 9月 |
2~3人 |
財団法人 関西消費者協会 |
大阪市中央区大手前1-7-31 |
夏休み若者向け消費者講座の補助 | 7月~ 8月 |
1~2人 |
全国消費者団体連絡会 |
東京都千代田区六番町15 |
会議運営の補助、会議同行 |
2010年2月~ 3月 |
1~2人 |
昨年の実施に比較して、受け入れ先も増え、学生が積極的に参加できる場を提供しております。インターンシップを履修した多くの学生は、夏休み中に職場体験中であり、その体験談なども可能な限り情報公開をしていこうと考えています。
3.就職状況について
昨年までは好調だった就職状況は好調とは言えない状況ですが、2007年3月には平均97.3%だった就職率が、2008年3月では98.5%になっております(具体的な進路の詳細については、本学のキャリアセンターのHP(http://www.meijigakuin.ac.jp/office/career/)に掲載されておりますのでそちらをご参照ください)。
本学科卒業生の就職先として、一番多いのが金融関係であり、全体の22%を占めています。他学科にない本学科の特徴としては、IT関連・エレクトロニクス関連企業へ就職する学生の割合が高いことがあげられます。過去3年間(2005-2007年3月卒業生)のデータでみますと、IT関連が12%、エレクトロニクス関連が10%と、本学における就職内定者業種別比率でも、最も高い割合を示しています。
4.おわりに
学科からの最新の情報は、ホームページ(http://mgulaw.jp/)で発信しております。これからも、よりよい教育を提供できるように努力していく所存ですので、白金法学会会員の皆様におかれましても、今後ともご支援とご指導を賜りたく、お願い申し上げます。