消費情報環境法学科創設20周年記念に寄せて
法学部長 今尾 真 教授
明治学院大学法学部消費情報環境法学科は、2020年をもって創立20周年を迎えます。この特設サイトは、新型コロナウィルス感染症影響拡大により、記念行事・イベントを開催することができませんので、本学科にゆかりのある先生方や卒業生の皆さんに、熱い思いの込められたメッセージをお寄せいただき、Web上で創立20周年を祝うために開設されました。そこで、法学部を代表して、皆様にご挨拶と感謝の意を表させていただくとともに、消費情報環境法学科の20年の歩みを振り返ってみたいと思います。
あらためまして、明治学院大学法学部長の今尾真でございます。日頃から、法学部ならびに消費情報環境法学科の発展に多大なご支援とご協力を賜っておりますことに厚く御礼申しあげます。また、今回の特設サイトの企画にご賛同いただき、いろいろなメッセージや思いをお寄せくださいました皆様に、心より感謝申しあげます。
さて、明治学院大学法学部消費情報環境法学科は、2000年4月、基本法分野の法学教育を前提とした上で、時代のニーズに対応し、消費者問題、環境問題、企業活動などの先端分野の法学教育と情報処理教育とを合体・融合させた教育を実践するとの教育目標を掲げ、法学部の第3番目の学科として創設されました(その後、2018年にはグローバル法学科も設立され、現在、法学部には4学科がございます)。当初は、第二部法律学科を改組転換し、昼夜開講という形態で、昼間主75名、夜間主75名の計150名の学科定員で出発いたしました。
2002年に、昼間主コースをスタンダード・コースに、夜間主コースを白金インテンシブ・コースに名称変更し、2004年には、スタンダード・コースの定員を25名増員して100名にするとともに、はじめての卒業生を送り出しました。2005年には、白金インテンシブ・コースの募集を停止し、完全に全日制の学科に転換しました。また、2005年から2008年にかけて、情報教育のより徹底を企図して、「法情報処理演習1・2」の配当年次の変更および「情報」教員免許課程の設置や、学科の特色ある教育を充実させるため、法律学特講「世界の環境を考える1・2」、「消費者法の実務」なども開講いたしました。
そして、2010年の消費情報環境法学科の創設10周年を迎え、「消費者法・環境法・企業活動法のこれから」というテーマのもと、盛大に各種記念行事(公開授業・記念講演会・パネルディスカッション等)を開催するとともに、10周年を記念して、実務担当者と学生向けの公開講座である「消費生活相談フォローアップ講座」を毎年開催することといたしました。その後、2017年には、入学定員を225名に増員し、法学部の中でも定員の一番多い学科となりました(2020年現在、法律学科200名、政治学科155名、グローバル法学科65名定員)。2020年、創立20周年を迎えることを契機に、情報技術科目群と「AIと法」といった情報法分野でも最先端の科目設置を予定しております。
このように、消費情報環境法学科は、法学部の中にあって、基本的な法律科目の学修をベースに、伝統的な法律学を考究する法律学科と一線を画しつつ、現代社会で生起する多様な先端分野の法律問題に対して柔軟に対処できる応用能力を備えた人材を育成してまいりました。また、消費情報環境法学科の受験生への人気は、特色ある教育内容により極めて高く、就職率も毎年96%以上の数値を誇っており、これらは、社会からこうした人材が求められていることの証左といえるでしょう。卒業生の数も、この20年で3000名を超え、社会の様々な分野で活躍しております。消費情報環境法学科は、社会の変化、社会的ニーズの変化に柔軟に対応し、現代社会の進展と歩調を合わせて発展し、現在もまた将来に向けても、進化し続ける学科といえます。
消費情報環境法学科創立20周年を迎えるにあたり、今ここに在職する法学部教職員一同は、本学科の特色・取り組みの正当性をあらためて確認し、このことを誇りに思うとともに、これを後進に継承し、30周年、50周年に向けて、さらなる発展に努力していくことを誓いたいと思います。
最後に、20年にわたり、消費情報環境法学科に対して様々な人々から多大なご支援ならびにご協力を賜ったことに対し、法学部長として、重ねて心から感謝を申しあげます。
2020年10月
第24代法学部長
今尾 真