環境法の20年
グローバル法学科所属 阿部 満
1.はじめに
他の先生に倣い、まず自己紹介させていただきます。1999年に本学法律学科に着任し、2000年から2003年の消費情報環境法学科の設立から完成までの期間、環境法担当教員であり(「環境法の生成と体系」「民法の基礎(現在の契約法の基礎)」「民法総則」「債権法2(現在の契約法1・2)」など)、この期間は主に消費情報環境法学科の学生だけが履修者のクラスを担当しておりました。その後法律学科に移籍し、民法科目のみを担当し、2018年のグローバル法学科設立の際に、同学科の比較環境法・民法担当教員として移籍した。現在は、同学科の1年生向けの国内法科目(法学入門、民事法の基礎1・2)、英語で日本法を学ぶIntroduction to Japanese Law, アメリカ環境法を学ぶGlobal Legal Studies3と、法律系3学科共通の民法科目などを担当しています。研究分野は、環境法、不法行為法、契約法(消費者取引を含む)ですが、ここ10年くらいは、環境関連の問題を主に考えたり、少しだけ書いたりしています。ある程度書いた後、ほかの先生方の論稿を拝見して、最後にこの部分を書き足しています。以下,「である調」に変わりますが、全体を直すのは難しく、ご海容頂ければ幸いです。
2000年4月設立の消費情報環境法学科が20周年を迎えた。1学科定員昼間主75名、夜間主75名で開設され、2000年度新入生の実数が132名(昼95、夜37)(注1)だったが、現在一学年定員225名の学部最大の定員を抱える学科にまで発展した。この背景には、卒業生の全学の学科別就職率において常に上位で多くは一位であった事実に見られるように、この学科の教育内容が現在の社会の多様なニーズに適っていることがあげられるだろう。
この学科を設計した当時の京藤哲久法学部長をはじめ設立に関わられた先生方の先見の明、研究・教育の実践にあたられた先輩・同僚である学科所属の先生方のご尽力に敬意を表したい。本学着任(1999年4月)直前の3月に学部長室で設立趣意書を拝見した際の衝撃と自分がその事業に関わることへの興奮はいまだに鮮明に覚えている。また、社会の中で、学科の学びを体現されてご活躍中の卒業生のみなさんを誇りに思う。みなさんに対する社会の評価が今日の学科を形作っているといると言っても過言ではないだろう。
さて、本稿のタイトルの「環境法の20年」であるが、2010年の設立10周年の際に礒崎博司先生とご一緒に「環境法の10年」執筆の機会をいただいたことに由来する(注2)。前回は、学科での環境法教育について、後半の6年を礒崎先生、前半の4年を当時学科所属の環境法教員だった阿部が分担した消費情報環境法学科での環境法研究活動と教育について記した。
今回は,設立からの環境法の発展にも言及し、本学での環境法研究について記憶の限り記したい。
2.2000年からの環境法制の動き
(1)2000年前後
学科設立の2000年前後は、環境法制のフェーズが変わった時期と言ってよいだろう。大きなところでは、1998年地球温暖化対策の推進に関する法律(温暖化対策推進法)が制定され、気候変動(日本語では当時温暖化と呼ばれていたが、英語表現に従ったこの表現が現在では定着しており、最近では気候危機Climate Crisisが媒体では使われはじめた。)が国内環境法の大きな一分野として追加された。学科設立の2000年には循環型社会形成推進基本法が制定され、そのもとに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)が大改正され、容器包装リサイクル法を初めとする各種リサイクル法が整備された。大量消費大量廃棄が大前提であった当時からすると、どの小売店でもプラスチックバック・紙袋が有料となり、マイバックを持って買い物に行くのが当たり前の今日は想像できなかった。化石燃料を含め地球の資源について政府、企業、市民がその利用の仕方をいくらかでも再考し行動するようになった切っ掛けとして、温暖化対策推進法、循環型社会形成推進基本法の果たした役割は大きかったと言ってよいだろう。
(2)2000年代
2002年の東京大気汚染訴訟判決は、自動車排ガスによる呼吸器系疾患の健康被害を争う一連の大気汚染判決を締めくくる大規模公害判決だった。東京都を中心としたディーゼル車規制の引き金となったと言ってよいだろう。2000年当時白金校舎の周辺のみならず、東京23区内全域の大気観測所で、窒素酸化物、浮遊粒子状物質の環境基準を充たしているところがない状況だった(私事だが郊外から白金に通勤し、一日いると鼻や喉、眼に異常が生じ、苦しい思いをしていた)が、2004年頃から急速に大気質が改善し、桜田通りを歩いても空気の悪さを感じなくなってから久しい。2003年のゼミでは、入手できた判決の謄本を学生と共有し、判決の内容を一年掛けて確認した。
同じ2002年に土壌汚染対策法が制定された。市街地を対象とした(農用地については、カドミウム米問題を契機に制定された1970年の農用地土壌汚染対策法があった)工業化時代の負の遺産を限られた国の仕組みで解決することを目的としたレンジの狭い法律ではあるものの、工場跡地や市街地の再開発、脱工業化という先進国共通の局面で、土壌汚染を調査しないと、不動産開発もそれに伴う融資もできないことをさらに認識させ、民間レベルでの調査・対策を促進した効果は評価してよいだろう。
20世紀の産業構造の後始末的な環境立法だけでなく、21世紀の新しい環境創造に向けた動きも見られた。2004年の景観法制定、2006年の国立マンション景観訴訟最高裁判決での「景観利益」の「法律上保護される利益」としての認知などがその典型例としてあげられる。ここ10年の都内の街づくりにおける歴史的建造物・空間の利用は、統一感のない、無機質な 20世紀末の建築開発とは一線を画するものがある。本学の白金キャンパスも学科設立当初、正門右手の敷地は高校のテニス・コートとして利用され、フェンスとネットで囲まれた「檻」が、学外からのチャペル・記念館の眺望を妨げていたが、学内再開発の終了により、緑の芝生が実に見事なランド・スケープを構成している。この空間に設置されるクリスマス・シーズンのツリーとライトアップは、学生が「光る私の学費」と口にしながらもSNSに大量にアップしていることから、この空間は学生生活に潤いを与えていると個人的には信じている。少なくとも要塞のような本館が与える圧迫感を減少させ、地域の良好な景観へ寄与していることは間違いないだろう。蛇足だが、ある外部の先生から「明学のあの空き地は、容積率を考えたら全くの無駄でしょう。◎◎タワーとか建てないんですか」といわれたことがあるが、そういう前世紀の開発利益中心的発想をしていない学校にいることを誇りに思う、とは言い返さない程度には丸くなった気がする。
自然保護・生態系関係では、2002年自然再生推進法、2004年特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律、そして2008年の生物多様性基本法の制定があげられる。環境法・政策は、人間にとっての環境(人間に影響を与える環境変化)への対応として、産業公害規制⇒都市公害規制(自動車排ガス、廃棄物処理)⇒人間の自然環境・都市環境の整備とその範囲を拡げてきたが、多くの人間の見えない所にある変化も人類の生存条件、あるいは環境倫理的な責務として認識し始めている。生態系を意識した立法は、21世紀に入ってから整備されはじめ、そこでは人類の予見の限界である科学的不確実性が伴う。不確実性を克服するための法政策上の方法として「予防原則」があるが、上記生物多様性基本法は、第3条にあげられた基本原則の中にこの予防原則が明記されている。生物多様性基本法は、自然保護・生態系分野の基本法としての性格も持つ立法であることも言及しておこう。
まとめると本学科ができてからの10年間は、新たな環境立法の枠組みが形成された時期であった。この点、本学科がその柱の一つ、今後検討すべき社会の課題に対応する法分野として環境法をあげ、多くの科目を提供してきたことは時宜に適ったものであり、先見の明があったことは、文頭に示したとおりである。なお、環境法テキストについて言及すると、前任校で1996年に初めて環境法(というか大学の授業)を持ったときは、新書レベルの入門書と公害・環境を扱う各法分野(行政法、民法、国際法、刑法)の専門家がそれぞれの分野での議論や問題点を説明する章を集めた概説書しかなく、後者を授業のテキストに指定せざるを得ず、2001年度の「環境法の生成と体系」でも同じテキストの改訂版を指定したが、結局ほとんど参照することがなく、受講生のみなさんにはご迷惑をおかけした。その点、この10年の後半には、本格的な体系的教科書が現れ始め、学問分野としての環境法の範囲対象・全体像、主な論点が明らかになったと言ってよいだろう。この出版事情の変化の背景には、環境法が新司法試験の試験科目となったことは否定できないが、その恩恵を学部生を含め環境法に関心を持つ人が享受できるようになった意義は大きい。
(3)2010年代
10年の最初に記すべきことは、東日本大震災時の福島第1原子力発電所事故による広範な被害発生であろう。1961年に制定された原子力損害の賠償に関する法律の第3条1項に定める事業者の無過失責任に基づく、東京電力の責任をどのように実施するかが課題となり、同時に同法が事業者の資力担保のために許可の条件として課していた賠償措置の額が今回の損害の大きさに比して少ないこと、規制権限の有効な分配が問題となった。東京電力に対する被害者の損害賠償の実現をサポートする機関として、同法第18条に定める原子力損害賠償紛争審査委員会の中に、原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)が設置された。被害者が裁判外で東京電力への直接交渉・請求が上手くいかない場合に、中立機関として紛争解決をおこなうものであるが、その事務局の調査官(若手の弁護士が被害者の申請や案件の整理をおこなう)として法学部卒業生の弁護士の一人が紛争の解決に携わっていたことも記しておこう。
気候変動については、世界的な取組としては、アメリカ、中国の2大排出国が排出削減義務を負わない形で発効した京都議定書の轍を踏まないために、2015年のパリ協定では、各国の削減目標・手段を宣言・登録し、各国が実施状況について情報提供し、これを検証する仕組みを採用した。自発的・協力的な枠組みではあるものの、多くの排出国が合意に至ったことは重要であった(トランプ大統領のパリ協定からの離脱宣言はこの国際的取組の発展に影を落としたかもしれないが、アメリカの企業や市民の行動,他国の取組にブレーキを掛けるものではないと信じたい)。パリ協定では、避けられない気候変動の影響にどのように適応するかについての各国の取組、国際協力についても規定がおかれており、わが国も2018年に気候変動適応法を制定し、国の気候変動適応計画、国立環境研究所の計画に則った情報収集・分析・自治体等への提供等の業務、地域の気候変動適用計画・センターの定義とその役割など定めている。近年の集中豪雨・暴風・台風などの極端気象による被害の重大さ・頻度をみると、その地域の特性と今後考えられる極端気象の規模をふまえた効果的な適応策の策定は急務と言ってよい。
気候変動に関連して、エネルギー関連法がいくつか制定された。再生可能エネルギーについては、多くの方が耳にしたことあるだろう固定買取制度を基礎付けている2011年電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法をあげることができる。電気事業者に再生可能エネルギー電気の買い取り義務を課し、対象となる太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスによる発電を促進するのがこの法律の目的である。われわれの利用料金に買い取り費用が転嫁されており、電力会社からの請求書・領収書に明記されている。脱炭素化の費用として意識したいところである。時間的にも体系的にも前後するが、2009年エネルギー供給者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー源の有効な利用の促進に関する法律は、化石エネルギーから再生可能エネルギーを中心とした非化石エネルギーへシフトの大まかな道筋(基本方針)示している。面白いところでは、潮力発電などの設備を設置する際の、2018年の海洋再生エネルギー発電施設に係る海域の利用促進に関する法律がある。
なお、2012年から租税特別措置法改正により、石油石炭税の一部として,石油・ガス・石炭に対して、二酸化炭素排出量一トン当たりの税額が同じ(289円)になる地球環境対策の課税が導入されている。いわゆる炭素税であるのだが、EU諸国やカナダ諸州での課税率(約900円〜1万5000円)(注3)と比べると極めて低額であり、薄く幅広く国民に負担させるという考えに基づいている。化石エネルギーを他のエネルギーに転換させる、排出量取引に移行させる(EUの多くの国では、EUの炭素排出市場に参加する企業には炭素税を免除している)動機付けという面での効果は薄いが、特別税として省エネ対策や自然エネルギー促進などの施策に用いられることになっている。
自然保護・生態系関連では、森林の機能維持・促進のための法整備が行われた。森林には、治水、地盤の脆弱化防止(土砂崩れ)、温室効果ガスとしての二酸化炭素の吸収など多様かつ重要な機能があるにもかかわらず、日本の森林管理は限界に達していることが指摘されてきた。2018年森林経営管理法は、市町村に森林経営の実態を調査し、必要な場合には森林の管理権を市町村に集積する権限を与えるもので、市町村が森林の経営管理権を持ち、そのコントロール下で民間事業者に管理実施権を配分する仕組みを導入している。さらに市町村が森林所有者に必要な場合、災害等防止措置命令(伐採、保育など)を課す権限、代執行権限を与えている。これに財政的な根拠を与えるものとして、2019年森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が制定された。2024年から国税として森林環境税が国民一人あたり1000円が徴収され、これを財源として、森林面積等を基準に国から市町村に森林環境譲与税が交付されることになる(細かい話だが制度設立時の一時予算を使って2019年から交付され、2025年度以降は森林環境税のみで賄う計画とのこと)(注4)。
以上、ここ20年の環境法の動きを見てきたが、当然すべての環境立法を紹介したわけではない。また、基本ポジティブな見方で、できるだけみなさんが身近に感じて貰えるように記述したつもりだ。もちろん、各制度には問題点や課題があることは不可避であり、研究者と称している人種は、そちらをクローズアップしてネガティブに考えるのが得意であり、使命(?)なのだが、われわれ社会の構成員は、これまでできたこととまだできていないことを把握し、これから個々人がどうすべきなのかを考える義務があるのだろう。
3.明治学院大学法学部の環境法教育
消費情報環境法学科のカリキュラムの特色として、自然科学系教員を擁し、情報科学、環境科学について、独自の科目カリキュラムを設定していることがあげられる。環境法教育を学部・学科の柱とする例は他大学にも見られるが、法学系の学部学科として環境科学の科目・ゼミを提供しているのは本学だけではないだろうか。
(1)環境科学科目
環境科学科目は、設立当初は菅野忠先生(2016年に退職され名誉教授となられた) が、2016年から井頭麻子先生が中心となって科目の運営をなさっている。環境法科目群には、設立当初「環境科学1」(1年次)「環境科学2」(1年次)「環境科学3」(3年次)が配置され、後述する法律系の科目と併せて一定科目数履修することが義務付け・想定されていた。現在は「環境科学の基礎1」「環境科学の基礎2」「環境科学の発展」と名称変更されている。
(2)環境法分野法学系科目のカリキュラム
設立当初 2000年生の環境法系の設置科目は以下の通りであった。
1年次配当 「環境倫理と法」(半期)
2年次配当 「環境法の生成と体系」(通年)
3年次配当 「環境政策と法」、「環境保護法」、「国際環境法」(全て半期)
学科完成直後の2004年度からカリキュラムを変更し、この枠組みは現在でも維持されている
1年次配当「環境問題の基礎」
2年次配当「環境問題の展開と法1・2」
3年次配当「国際環境法1・2」、「環境政策と法」、「環境保護と訴訟」
これに加えて、2005年度から国連大学高等研究所の研究員を講師に招き英語で講義する科目として「世界の環境を考える」および「持続可能な社会に向けて」がスタートした。詳細については、10周年時に当時の環境法担当者磯崎博司先生が記している(注5)。この科目は,(一財)地球・人間環境フォーラムの天野路子先生のご尽力で現在でも運用方法を変えながら実施されている。
(3)個人としての感想
消費情報環境法学科の科目・クラスを担当していた当時のことは上記同様に10周年の記述を参照していただきたい。
この10年ゼミで環境法をテーマにしてきた。ゼミ生の人柄や環境問題への意欲等に応じて自然とやり方を変えてきた。何がよいゼミなのかは分かるのだが、そこへ至るプロセスは未だに分からない。振り返ると、学生が自主的に選んだテーマの中には当時それほど注目を集めたり議論されていなかったが、現在重要な論点として議論されているものも少なくない。優秀な学生、人間的に優れた学生に恵まれたと思うが、こちらができたことは僅かだろう。
一つ積極的に後悔・反省していることがある。初期のゼミ員に、とても環境意識が高く、地道な環境運動に参加していたゼミ生がいた。環境問題に意識が及ばない人に環境優しい行動をとらせ、環境負荷を下げていくにはどうしたらよいか、よくその学生に問うた。彼は、地道に価値と有用性を発信していってそういった人達に意識を変えてもらう努力を続けたいと毎回答えていた。話せばわかる人だけが社会の構成員ではない、わからない人の方が多いかもしれない、などと結構意地悪な設例を出したかもしれない。今思うと、彼の方が人間の本質、人の意識の変わり方を理解していた。それに比して、当時の私は法や政策でできることに過剰に期待していた。当時も民法などの授業では、法律でできることは限られているとはいっていた。しかし続けて、限られているが強制力ゆえ重要だ、と必ず付け加えていた。
この20年の環境法の流れを見返して、改めて訂正し、彼と当時の学生さん達に答えたい。法律でできることは限られている、強制力はあるものの直接できることも限られている、しかし、法律や法律に基づく政策で示されたルールで人の意識が変わるのであれば、法律は重要であるだろう、と。
20年の区切りの年に、これまで学生さん達に研究者として私を育ててくれたことを感謝したい。
4.明治学院大学の環境法研究
現在環境法を主に研究する教員は、国際環境法の鶴田順先生と私の2名で、2018年設立のグローバル法学科に所属している。鶴田先生は本企画に寄稿なさっており、詳しくはそちらを参照願いたい。先生は、環境法分野で国際環境法と国内環境法の連動するテーマについて主導的な研究を積み重ねられており、この学問分野の進展に大きく貢献されている。
最後に、この10年の環境法関連の学術交流について記す。2007年度からアメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のファーバー教授を定期的にお招きし、講演・研究会等を開催してきた。 授業枠を使った学生向けの講演会や法律科学研究所での講演を聴講した卒業生もいるかと思う。2018年のグローバル法学科開設記念講演会で気候変動と法について講演され、今年秋学期にお招きする予定だったが、新型コロナが落ちつくまで見送りとなった。
今年(2020年)7月、ファーバー先生の最新版教科書が日本語に翻訳された。
ダニエル・A・ファーバー(辻雄一郎・信澤久美子・阿部満・北村喜宣 訳)『アメリカ環境法』(勁草書房)
本学での講演のテーマとなった問題も扱われており、日本語で読める最新版のアメリカ環境法の本となる。
5.最後に
長々と書いてしまいました。30周年の年は,私事ですが、計算が間違っていなければ明学在職最後の年になる予定です。その時までに、もう少しマシなことが書ける様研鑽を積んでいきたいと思いますが、先ずはその機会を与えて貰えるよう、体とおこないに気をつけていきます。その時には、消費情報環境法学科はますます発展し、明治学院大学を代表する学科の一つに発展しているでしょう。
私事ついでにもう一つだけ。学科のことを思い返すとき、開設時の学科主任で法学部長も務められた平川幸彦先生のお顔がどうしても浮かびます。学生のこと愛し思われ、学部学科の行く末を常に考えながら無私にお仕事に励まれていた姿は忘れられません。研究者、大学教員としてだけではなく、人として尊敬できる方でした。安らかな眠りにつかれて久しいですが、感謝の気持ちを記したいと思います。
最後に、消費情報環境法学科の20周年を心からお祝い申し上げます。
注1)平川幸彦「消費情報環境法学科がスタートして~学科主任の覚書~(学科主任近況報告)」白金法学会誌(2000年度)
http://www.meijigakuin.ac.jp/~mgujc10/mgujc10/jcayumi/kinkyo/kinkyo00.html
注2)「先端法学10年間の歩み>環境法の10年」明治学院大学法学部消費情報環境法学科設立10周年記念サイト
http://www.meijigakuin.ac.jp/~mgujc10/mgujc10/sentan/sentan_index.html
注3)環境省「諸外国における炭素税の導入状況(平成29年7月)」環境省サイト(pdf)
https://www.env.go.jp/policy/tax/misc_jokyo/attach/intro_situation.pdf
注4)林野庁サイト「森林環境税及び森林環境譲与税」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/kankyouzei/kankyouzei_jouyozei.html
総務省サイト「森林環境税及び森林環境譲与税について」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/04000067.html
注5)前掲・注1)参照。