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白金法学会

白金法学会論文賞

2010年度 白金法学会論文賞審査結果

1.総評

今年度は、3つのテーマ(①日米の安全保障の在り方、②裁判員制度施行後の効果と課題、③消費税増税の是非)から1つを取り上げ、具体的問題点を踏まえて、その法的課題や解決策等について論じて下さいというものでありました。応募総数24件の内訳は、テーマ①が2件、テーマ②が11件、テーマ③が11件でありました。
 今年度は、応募者多数であったことから、各審査員に上位4位に該当する論文に順位付けをしてもらい、その4件について集中的に評価をしてもらうという形式を採用しました。
 論文審査は、大野武、中谷美穂、中村良隆の3名の教員役員、佐藤祐太、及川昌彦の2名のOB役員、合計5名によって行われ、論文審査会は、10月19日(火)に大野、中谷、中村の教員役員によって行われました(なお、OB役員については審査報告書のみが提出され、そのうち及川役員についてはテーマ①のみの審査報告書が提出されました)。厳正な審査の結果、下記の通り最優秀賞及び優秀賞を贈ることを決定致しました。以下は、その総評であります。
  ・最優秀論文賞について
 本論文は、裁判員制度の問題点として、①選任手続、②守秘義務、③裁判員の義務化、④公判前整理手続の4点を取り上げ、それぞれについて考察をするものであります。
 本論文では、個々の論点について、その具体的な問題点を明示した上で、いくつかの見解を参照した上で、私見を述べるものであります。そのため、論旨が明解であると同時に、私見も説得的なものとなっており、非常に内容がよくまとまった論文であると評価することができます。
 ただし、取り上げた論点が4点と広範囲に及んでいるため、より深い考察にまで及んでいない点はやや残念でありました。しかし、上記の評価に加えて、参照文献が比較的豊富であること、論文としての形式もほぼ満たされていることなども併せて考慮すれば、全体としてやはり優れた論文であると評価できるものであります。
 本論文については、とりわけ3名の審査員が高評価をしており、上記の評価を踏まえ、協議の結果、本論文は最優秀論文賞に相応しいものであるとの結論に至りました。
・優秀論文賞について
 本論文は、まず裁判員制度実施後の状況を検討し、そこには裁判員には過度な守秘義務という負担が生じていること、そしてこのことが知る権利と対立するという問題を抽出し、その問題について検討を加えるものであります。
 本論文は、守秘義務と知る権利に焦点に当てて、その現状を検討し、法的問題点と解決策について検討しており、論点を深く掘り下げた非常に良い論文であると評価することができます。ただし、結論がやや物足りなく感じられ、もう少し検討を加えてほしかったというのが正直な感想であります。
 本論文については、とりわけ3名の審査員が高評価をしており、上記の評価を踏まえ、協議の結果、本論文は優秀論文賞に相応しいものであるとの結論に至りました。

2.審査結果

(1) 最優秀論文賞:1件
   高村 愛音
(2) 優秀論文賞:1件
   永森 有貴
(3) 参加賞:応募者全員