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輝くみなさんへ 

阿部 満

 最近物忘れが激しい。特に最近は物事が簡単に理解出来るようになった(と錯覚している)分,すぐ忘れる。理解率が高くて忘却率も高いのでいつでも新鮮な感覚で勉強出来る。楽しいが,さすがに不便なことも多い。
 若い頃は頭が重かった。単純なことが理解出来なかったし,本を読むのも時間がかかった。鈍い歯車を,全力で押したり,引いたり,ごみを取り除いた入りしながらギシギシと回す感覚をいつも持っていた。分からないことの方が多かったが少し分かると嬉しかった。かなりの時間をかけてほんの少しの情報をインプットしたが,その情報自体よりもインプットするために自分の頭にできあがっていく回路の方が重要だった。
 この当時(高校の後半から25 歳くらいまで),インプットした情報は回路の形成過程とともに脳のひだに刻み込まれているようで,ほとんど意味が分からなかったこともあまり忘れていない。そんな理解出来なかった情報の意味が大人になってからの生活経験や仕事(勉強やその内容教えることが主な仕事だが,実はそれ以外の業務もかなり多い)で理解でき,改めて考え直して役立てたことは一度や二度ではない。
 ある意味今の社会状況は,私にとって刺激的だ。学生時代に教わったり,学んだりした内容の本当の意味が問われている気がしてならない。
 たくさんのものに触れ,いろんな活動をして,考え方の訓練=学問を体験してください。皆さんの学生時代が楽しくて,苦しくて,なんだかよく分からなくて,後から自分で輝いていたと思える時間であるようにお祈りします。

 履歴:1962年宮城県塩竃市(「塩釜レール入り事件」「塩釜声の新聞社事件」という法学部では民法学習上必読の最高裁判決の舞台)で出生。宮城県仙台第二高等学校卒業,中央大学法学部法律学科卒業,同大学大学院法学研究科博士・前期課程民事法専攻修了,東京都立大学大学院社会科学研究科基礎法学専攻単位取得退学。1992 年東京都立大学法学部助手(民法),1996 年駿河台大学法学部専任講師,1998 年同助教授(民法・環境法),1999 年明治学院大学法学部法律学科助教授(民法),2000 年消費情報環境法学科助教授(環境法,民法),2004 年法律学科教授(民法)(2004・05 年度法律学科主任)。2006 年4月から2007 年3月カリフォルニア大学バークレー校ロー・スクール客員研究員(環境法)。2018年4月グローバル法学科教授(比較環境法・民法)。
 これまで明学で担当したことのある科目(現在のカリキュラム上の名称に修正して表記):【学部】契約法の基礎,民事法入門,民法総則1・2,物権法1・2,債権総論1・2,契約法1・2,不法行為法,環境問題の展開と法1・2,リスク管理と制度設計(環境リスクについて分担),法律学特講2(交通事故民事損害賠償,一部代講),基礎演習1,二年次演習1・2,演習,民事法特講、【法科大学院】民事法基礎事例演習1・2,民事法判例演習1,消費者法。【大学院法学研究科】民法研究、消費者法研究。
 2018年度担当科目:【横浜】民事法の基礎1・2、法学入門、グローバル基礎演習1、Introduction to Japanese Law、契約法 【白金】契約法2,不法行為法,演習 【大学院】不法行為法研究,環境法研究,民法研究。
 研究の対象は,環境法,不法行為法,消費者法,契約法を中心に自分の興味のあること。
 授業を担当する際のモットーは,「勉強するのは,学生。教員が勉強して,学生が楽をするのは,筋違いかつ教育する意味がない。」
 よろしくお願いします。