2023年3月19日

ダブリンシティ大学

アイルランドでの異文化体験

私は今までの留学を振り返りつつ、文化の違いや驚いたことについて書きたいと思います。

まず、言語に関して驚いたことです。アイルランドには母国語が2つあります。アイルランド語(ゲール語)と英語です。その理由はかつてアイルランドが長期間イギリスの統治下にあったためで、現在はアイルランド語を日常会話で話すことは殆ど無いそうです。一方、アイルランド語を保護する為に地元の学校ではアイルランド語の授業があり、街の標識の至る所にアイルランド語の表記を見つけることができます。最初に標識を見たとき、私はアイルランド語の知識が無かったため少々戸惑いました。また、私がこの国に来て驚いたことの1つにアイリッシュイングリッシュがあります。同じ英語圏ですが、挨拶などにアイルランド独自の文化があるようです。

次に、バスについてです。バスに関しては驚いたことが主に3つありました。

1つ目はバスの運行時間が非常に大雑把ということです。アイルランドでは主な公共交通機関としてバスが街の中を走っています。しかし殆どの場合、バス停にある時刻表の時刻通りにバスが来ることはありません。現地の人はバス会社が出しているアプリを利用し、バスの待ち時間を調べます。こちらに来てから、日本の公共交通機関がどれほど正確な時間管理をしていたのか改めて実感しました。

2つ目は、乗りたいバスが来たときは、ハンドサインで運転手に乗車することを伝えなければならないことです。バス停に人がいた場合、日本では必ずバスが停車すると思います。しかし、アイルランドでは1つのバス停に止まる路線が多いためか、バス停横に立っているだけでは停車してくれません。アイルランドに来てすぐの頃にバスを利用しようとしたとき、私はそれを知らなかったことでバスを逃したことがありました。アイルランドでバスを乗る際は、人差し指で道路の方向を指さすことでバス運転手にハンドサインを送ることができます。しかしながら、ハンドサインを送っていてもバスが止まらないことがあります。

3つ目に驚いたことはバスの混み具合によってバスが止まらない事です。以前私がバス停でバスを待っていた時、帰宅ラッシュの時間帯だったこともありバスを2~3本ほど逃し、バス停に1時間ほど待っていた事があります。ハンドサインをきちんと出していましたが、どうやら運転手は満員であると判断するとバス停を通り過ぎるそうです。しかし、満員か否かの判断は運転手自身の裁量に委ねられているため、以前は乗る事ができた混み具合のバスでも運転手の判断で乗ることができない場合があるのです。

最期に行事についてです。私が現地で体験した大きなイベントにはハロウィーンとクリスマスがあります。どちらも日本よりずっと本格的な装飾が街や家の至る所になされており、国全体でお祭りを盛り上げているように感じ驚きました。特にハロウィーンはアイルランド人の祖先であるケルト人の祭りが起源とされているため、玄関や窓にはリアルなコウモリや、切り落とされた手首を模した飾りが吊され、庭には大きな蜘蛛の巣が貼られるなど、どの家も非常に手の込んだ装飾がなされていました。ハロウィーンが近くなると、仮装してナイトクラブに行く人や、近くのお城で花火が上がるなどの様々なイベントがあり、日本では見られないとても賑やかで盛大な本場のハロウィーンを体験することができました。
一方、アイルランドの年末年始は非常に静かなものでした。日本ではクリスマスの後に正月がありクリスマス後の方が忙しい印象がありますが、アイルランドではクリスマスが年末年始における忙しさのピークです。アイルランドでは年の瀬が近づくと実家に帰省して家族とともに団らんするのが習わしのようです。正月に街へ行ってみましたが、確かに通行人は疎らで、多くの店は閉まっているか時短営業をしていました。年が明けて1月が始まると様々な店が2月にかけて大々的なセールを始めます。アイルランドでのお買い物はこの時期がおすすめです。

↑ 1月1日のメインストリート

アイルランドには独自の文化があり、この5ヶ月間で様々な経験することができました。天気は変わりやすいですが、とても自然豊かで人々は穏やかな素敵な国でした。ぜひ、機会がありましたらアイルランドを訪れてみてください。

M.H.