こんにちは。このブログではアイルランドの裁判所について、実際に見学した体験を交えて説明していきたいと思います。
まずアイルランドの裁判所の仕組みについて簡単に説明します。
アイルランドの裁判所は民事事件を扱う裁判所と、刑事事件を扱う裁判所の2種類があり、それぞれ下記のような種類があります。
Criminal court Civil court
Supreme court Supreme court
Court of Criminal appeal
Central Criminal Court High court
Special Criminal Court
Circuit court Circuit Court
District Court District Court
・下から上の順で、重要度の高い事件が扱われる裁判所となります。それらの裁判のうち、いくつかの重要度の高いものはHigh Court などの裁判所で審議されますが、ほとんどの裁判はまずDistrict Court に持ち込まれます。しかしSpecial Criminal Courtは特別で、ギャングやテロなどの、国家の安全を脅かす犯罪のみが扱われます。この裁判所の特徴として裁判員は招集される事はなく、三人の裁判官のみにより判決が下されます。
・裁判の判決で不服がある場合、上告(appeal)することができ上の裁判へと持ち込まれていきます。
・Supreme Court は日本で言う最高裁であり、最も力のある裁判所になります。ですが、日本とは異なりEUに加入しているアイルランドでは、EU裁判所があります。最高裁で敗訴したとしても、EU裁判所に上告することができ、そこで判決が覆った場合は、再度最高裁によって審議が行われます。
裁判所見学について
僕たちは授業のプログラムの一つとして、二つの裁判所の見学を行いました。一つ目の裁判所はCentral Criminal Court Of Justiceです。ここでは刑事事件のみが扱われており、Supreme Court を除くすべてのCriminal Courtが置かれています。僕たちはそのうちの、District CourtとCentral Criminal Courtの裁判を実際に見学することができました。District Court では重要度が低い裁判が行われる関係上、一つのケースは数分で行われます。そのため、少し座っていて、聞き取ろうとしたら裁判が終わってしまった..という感じでした。
ですが、Central criminal Courtではいくつか珍しい経験をすることができました。ここで僕たちが見学した裁判内容は殺人でした。実際に容疑者も裁判に出向き、弁護士も検察側と弁護側にそれぞれ二人つく裁判となり、かなり空気がひりついているように感じました。殺人の裁判を見られることは、そうそうないことですのでいい経験になったと思います。また、その裁判に招集された12人の裁判員のうち、一人が裁判直前で、その任務を拒否してしまい、裁判員が一人かけてしまうという事態が起きました。これはそれなりに珍しい状況だったらしく、裁判長も動揺しているように見えました。その後裁判員が一人招集され、裁判がスタートしました。これもそうそうないことで、珍しい体験ができました。しかし、正直なところ、裁判は難しい単語が多く、話すスピードがはやかったため、内容はほとんど聞き取れませんでした。ですが引率してくれた先生が逐次説明してくれたため、なんとなく理解することができました。内容も、説明された情報も多かったですは、めったにできない体験ができて良かったです。
The Criminal Court of Justiceの外観
次に向かった裁判所はFour Court です。ここは主に民事事件に関する裁判が行われ、Supreme Court も設置されている裁判所でした。前述した裁判所は新しい作りでしたが、この裁判所は若干古い印象を受ける作りでした。ここでは実際に裁判を見学することはできませんでしたが、裁判所内をめぐりながら、引率の弁護士のかたから説明をうけることができました。さらにSupreme Courtにも実際に入ることができました。Supreme CourtはDistrict Courtにくらべてもかなり小さく、日本にあるような最高裁をイメージしていたので、かなり衝撃でした。またFour Courtでは裁判官がいっぱいいたのですが、そのうちの半分以上が女性であったことにも衝撃を受けました。
Supreme Courtの内装
アイルランドの裁判所について話していきましたが、いかがだったでしょうか?異国の裁判は内容も難しく、話しについて行くのは大変ですが、得られるものはたくさんあると僕は感じました。海外の裁判であっても、基本的に誰でも見ることができると思いますので、皆さんも海外に行く機会があったら裁判の傍聴をしてみることをおすすめします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
執筆者 H・A