2024年3月23日

グリフィスカレッジ

ダブリンの休日

ほどよい湿度にめぐまれたダブリンでの朝はとても目覚めがよくいつもより早く私を床から追い出した。今日はSIMカードの更新をするため都市部の携帯ショップに用があったために時間つぶしもかねて寮から30分ほどにある公園に向かう事に決めた。ルームメイトと軽い会話を済ましたら爆発寸前のパーマをなだめて寮を出た。グリフィスカレッジは都心から少し離れた位置にあり、住宅街に囲まれたとても落ち着いた環境だった。公園までの道のりの途中で見つけた喫茶店では常連さんと店主が談笑を楽しんでいた。日本人特有の申し訳なさを前面に彼らの話しを遮りラテを注文した。彼は私の表情とは裏腹に笑顔で注文を取り、自慢げな表情でラテアートをしてくれた。喫茶店をあとにし、少し歩くとセントパトリック大聖堂が見えてきた。わたしが、アイルランドでの散策を繰り返す内に気づいたことは教会の多さだ。日本の神社や寺とは比べものにならないほどにたくさんの頻度で目にすることがあった。その多くにはきれいなステンドグラスやヨーロッパの建築技法が匠に使われており、とても美しいと感じた。また、一つ一つに特徴があって見るたびにそれぞれの教会の個性が表れていた。こうしたたくさんの教会との遭遇が留学中の些細な楽しみであり、日課であり、息抜きだった。もう少し進むと目的地の公園に到着だ。都市部とは思えないほどに満足感あふれる緑の公園はアイルランドに住む人や動物に落ち着きと優雅を与えていた。ケータイショップが開くまでに2時間もある。この公園を満喫するにはちょうどいい。公園の至る所にある銅像を一通り見てから池がある方に向かった。池には無数の鳥類が優美に浮いていた。ダブリンは海から近いこともあってかカモメなどもよく町に顔を出していた。冬にさしかかろうとしている季節のおかげで白鳥とも出会えた。
この自然と人工のバランスが私は大好きだ。そうこうしているうちにラテも飲みきりあっという間の2時間がすぎてしまった。SIMカードの更新は10分で終わってしまいもっとあっという間だった。帰りはスーパーによってから最近はまっているポテトサラダの材料を調達してから変えることに決めた。こうして充実したアイルランドのなんともない休日の日中を余すことなく堪能した。 T.F