消費情報環境法学科設立20周年に寄せて

消費情報環境法学科所属 井頭 麻子

私が明治学院大学法学部消費情報環境法学科に赴任したのは、2016年4月ですので、今年度は5年目になります。4分の1だけ貢献・・?という感じでしょうか。専門は化学なのですが、この文理融合した学科のおかげで、居心地よく過ごすことができています。私は、赴任前は「理学部化学科」でしか過ごしたことがありませんでした。そのため、法学部というまったく異なる環境に馴染めるのかどうか不安はとても大きかったのですが、その不安はあっという間になくなりました。この学科に来てまず驚いたことは理系の先生の人数の多さでしたが、そのおかげで馴染むことができたのではないかと思います。単純に人数が多いからという理由ではなく、理系の先生も学科の教育方針に大きく貢献できるようなシステムが出来上がっていることが大きかったと思います。もちろん、「理系」vs「法律」という派閥関係はまったくありませんでした。情報・物理の先生はコンピュータ教育に携わり、学科名にも含まれる「情報」に関する教育を担っています。化学の私は「環境科学」を担当していますが、環境問題はその原因物質やメカニズムを理解しないと対策を考えることも難しいため、環境問題を科学的に捉えることは法整備に対しても重要であると考えられます。つまり、私も、化学が専門であるにもかかわらず、この学科の学生の「環境法」の教育に必要であるという立場にしていただいています。「学際的な研究」というものが推奨されるような時代ですが、「学際的な教育」というものをすでに実践していることに驚きを感じつつ、素晴らしいことだという思いもあります。これからの教育システムの構築において、見本になってもいいのではないかとすら感じています。まだ、「学際的な研究」までは発展していないですが、私の研究活動も尊重していただいているように感じていますので、今後、共同研究まではいかなくても、何らかの関わりをもてないかという希望はもっています。

この学科での学生教育についてですが、私は「環境科学の基礎」という講義を担当しています。環境問題を「科学の視点」から学ぶ授業で、原因物質は何か? その発生のメカニズムは? 対策は?ということを講義しています。初めは、法学部の学生に対して「科学」を教えることへの戸惑いは大きく、どこまでかみ砕けば理解してもらえるのか、どうしたら興味をもってもらえるのか、ということから始まりました。(そのうち、どうしたら眠くならないか、どうしたら静かにしてくれるのか、なんていう悩みもでてきましたが・・・。)今の学生は、小学生の時から環境問題にたくさん触れているようです。「光化学スモッグ注意報」のために外で遊べない経験もありますし、「3R」も知っています。小学生の娘のプリントにも、もっと大きな地球規模の問題である「地球温暖化」「海洋ゴミ問題」という言葉がたくさん並んでおり、学生はこれらの環境問題に馴染みがあることが想像できます。馴染みはあるけれども詳しくは知らないという環境問題を科学的に理解できれば、環境法の学習の助けになるだけでなく、実生活でのちょっとした振る舞いにもいい影響が出てくることが期待できます。どうしたら興味をもってもらえるかを考えながら、これからも丁寧に教えていきたいと思います。

最後に、「消費情報環境」とはいったいどういう意味のある組み合わせなのかとても不思議に思っていましたが、法学部の先生のお話を聞くうちに、そして英語名の「Current Legal Studies」を見ることでなんとなく納得してきたところです。そのような、学科に対する理解としてはまだまだ初心者ともいえる状態ではありますが、この学科はいいところだという実感があります。文理融合という難しいテーマを実現している消費情報環境法学科、いい文化は保ちながら、そして改善すべきところは改善しながら、より良い学科へと向かっていけるよう私も努力していきたいと思います。