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白金法学会

白金法学会論文賞

 

2018年度 白金法学会論文賞審査結果

1.総評

今年度の論文賞は、下記の6つのテーマ(⑥のみ1,2年生限定)から一つを取り上げ、具体的問題点を踏まえつつ、原因、解決策等について論じてもらうものでした。

  ① 正社員と非正規社員の待遇格差について
  ② グローバル化が日本の法や政治に与える影響について
  ③ 憲法改正論議とその行方
  ④ フェイクニュースについてーメディア・リテラシーの観点から
  ⑤ 日本は北朝鮮に対してどのように向き合うべきか
  ⑥ 自分が最も関心ある法的または政治的な問題について(自由論題―1,2年生限定)

応募総数は7件あり、その内訳はテーマ①が4件、テーマ②が2件、テーマ③が1件でした。

【審査経緯】
論文審査は、白金法学会の役員によって行われました。教員役員3名、OB役員12名が、それぞれ審査にあたりました。10月24日に開催した審査会において、厳正な審査を行った結果、最優秀論文賞および優秀論文賞について該当者はありませんでしたが、奨励賞を3名の者に授与することと致しました。

【講評】
奨励賞とされた小林さんの論文は、論文の構成および文献引用が適切であり、問題意識や主張も明確です。外国の動向について触れた上で、日本の現状や立法のあり方について論じている点は評価できますが、「グローバル化が日本の法や政治に与える影響について」というテーマとの結びつきが弱く、結論部分でもほとんど言及されていないのが残念でした。
佐久間さんの論文は、「憲法改正論議」という非常に重いテーマに敢えて挑戦した点で、その意欲を評価することができ、また、マスコミ報道などを積極的に参照し、読みやすい論文に仕上がっています。他方で、筆者の主張が弱く、論文の独自性を見出しにくい点が残念でした。
西野さんの論文は、論文としての体裁が整っており、文章表現が精確であったことが評価されました。しかし、同一労働同一賃金の導入による影響についての言及や自己の主張の展開が少なく、また参考文献が全てインターネット記事に基づいている点は残念でした。労働法や労働政策に関する基本書を調べつつ、雇用や労働の社会的・経済的意味についてもう少し掘り下げてゆけば、より質の高い論文となったはずなので、その点が惜しまれました。
以上3件の論文については、課題として残る点はあるものの、説得力のある内容でありましたので、審議の結果、奨励賞に相応しいとの結論に至りました。

2.審査結果

(1)最優秀論文賞:該当なし
(2)優秀論文賞:該当なし
(3)奨励賞:3件
 小林亜衣(法律学科3年)
 佐久間美希子(法律学科3年)
 西野知那(法律学科3年)
(4)参加賞:応募者全員