白金法学会
白金法学会論文賞
2023年度 白金法学会論文賞審査結果
1.総評
今年度は、次の5つのテーマから1つを取り上げ、具体的問題点を踏まえて、その法的課題や解決策等について論じて下さいというものでありました。
①サスティナビリティに関する企業の取り組み
②生成AIが変える社会 --- 法律または政治への影響について
③マイナンバーカードをめぐる法的・政治的諸問題
④ビジネスと人権
⑤自分が最も関心ある法的または政治的な問題について(自由論題―1,2年生限定)
今回の応募総数は、テーマ⑤が1件でありました。
【審査経緯】
論文審査は、白金法学会の役員によって行われました。教員役員4名がそれぞれ審査にあたりました。審査員の評価を取りまとめたのち、最終審査会は教員役員によるメール稟議にて厳正な審査を行いました。その結果、下記の通り、最優秀論文賞及び優秀論文賞について該当者はありませんでしたが、奨励賞を授与することと致しました。
【講評】
本論文は、臓器移植法の2010年改正以降の日本における臓器移植の現状を関連の資料等で把握したうえで、同改正によって可能となった遺族判断による臓器提供の法的課題を考察し、課題を明らかにし、当該課題の改善・克服のために臓器移植法の改正すべき点を提示した論文である。
本論文の論点設定は明確である。当該論点に対応した結論と提言もなされている。
論の進め方は手堅く、関連の資料・文献の渉猟は的確である。憲法学・医事法学分野の学術論文もふまえている。
ただ、引用文献・参考文献の表示が正確でない、あるいは、不十分であるため、申請学生が本論文を作成する際に引用し、または、参考にしたとされる文献を検証することが著しく困難である等、形式的な要件において注意すべき点を散見する。本募集要項(「2023年度『白金法学会論文賞』募集」(2023年9月))においても、その3.⑦として「文献引用を適切な方法で行うこと」との記載もあり、同募集要項の「10.参考:文献引用の作法」をよく読まれるなどして改善されることが期待される。
また、より正確には、「論文」というよりは、「リサーチ・ペーパー」としての性格が強い。執筆者は現在2年生であり、今後の調査力・研究力・分析力の更なる向上を大いに期待し、奨励賞を授与することとする。
2.審査結果
(1)最優秀論文賞:該当なし
(2)優秀論文賞:該当なし
(3)奨励賞: 1件
今野 真緒(消費情報環境法学科2年)
(4)参加賞:応募者全員