担当科目

【担当科目】2022年度はサバティカルのため、担当科目なし
【オフィスアワー】毎週金曜日12:30~13:15(白金)、場所:白金教員ラウンジ
 (メールにて要予約)
【法哲学2の授業概要】法哲学とは,法および法的現象について哲学的な視角から研究する学問であり,通常,(1)法の一般理論(法概念論),(2)法律学方法論(法認識論),(3)法価値論(法理念論)という三つの領域に区分される。本講義においては,これら三つの領域における基本問題について,ケルゼン,リアリズム法学,批判法学,ハート,ラズ,ドゥウォーキン,法と経済学,ロールズ,ノージック,サンデルなどの見解を紹介しつつ,批判的な視角から考察を加える。

専攻・研究分野

比較法思想、法哲学

最近の研究テーマ

法的思考の論理、自然法論(特に「黄金律」の歴史と論理)

主な発表論文・著書

著書(単行本・単著)
  • 『法的思考と論理』(成文堂、2013年)
著書(単行本・共著)
  • 『フレッシャーズ法学演習』(中央経済社、2016年)[第7章と第8章担当]
  • 「法実証主義への挑戦:フラーの「法の内面道徳」とドゥオーキンの「純一性としての法」」森村進編『法思想の水脈』(法律文化社、2016年)[第12講担当]
  • 「法律家の「論理」―法的な"argument"およびその"defeasibility"について―」亀本洋編『岩波講座 現代法の動態6 法と科学の交錯』(岩波書店、2014年) 
  • "Recht, Gesetz und Logik in juristischer Argumentation: Bemerkungen zu den Theorien von Toulmin, Alexy und Neumann", E. Schweighofer et al. (Hrsg.), Zeichen und Zauber des Rechts: Festschrift für Friedrich Lachmayer, Editions Weblaw, Bern 2014. 
  • 「自己・所有・身体―私の体は私のものか―」森田成満編『法と身体』(国際書院、2005年)
  • 「生命倫理における直観と論理―ヘアによる人工妊娠中絶問題への「黄金律論法」の適用とその問題点―」山崎喜代子編著『生命の倫理―その規範を動かすもの』(九州大学出版会、2004年)
主な論文
  • 「統一テーマ「民事裁判における「暗黙知」―「法的三段論法」再考―」について」および「シンポジウム概要」『法哲学年報2013年度』(有斐閣、2014年)
  • 「「法論理」再考―三段論法から対話的なデフォルト論理へ」『法学研究[慶應義塾大学]』第82巻1号(2009年)
  • 「法的思考と法論理学―シャーロック・ホームズのように「論理的」に考える」『法学セミナー』通巻650号(2009年2月号)
  • 「要件事実論と法論理学―法的思考の対話性と非単調性について」『法学セミナー』通巻639号(2008年3月号)
  • 「法哲学から見た「法と対話」」『法律時報』通巻976号(2006年11月号)
  • "The Confucian Golden Rule: Chu Hsi's Neo-Confucian Interpretation and the Critical Arguments by Japanese Confucianists in the Seventeenth and Eighteenth Centuries", Annual Review of Law and Ethics Vol.8 (2000)
  • 「『黄金律の倫理と論理』―普遍的倫理復権のための手がかりをもとめて―」『研究助成報告論文集(第10集)』(財団法人上廣倫理財団、2000年)
主な翻訳
  • R.ドゥウォーキン(共訳)『平等とは何か』(木鐸社、2002年)
  • E.A.クリストドゥリディス(共訳)『共和主義法理論の陥穽―システム理論左派からの応答―』(晃洋書房、2002年)

ゼミについて

テーマ

法と異文化理解(law and cross-cultural understanding)

概要

法とは権利と義務を規定する社会規範である。国家の強制力に裏付けられたこの社会規範は、それぞれの文化的・歴史的な文脈において成立しており、またそれによって制約されている。その結果、我々の思考枠組みから欠落した(あるいは削除された)異文化に属する人々の権利について、我々は往々にして無知であり、その権利主張についてあまりに鈍感である。例えば、現在「青い海・白い砂の楽園」と称されるグアム島において先住民チャモロ人が太平洋戦争中に日本兵に虐殺された事実を、そして彼らの法的・政治的な主張をどれだけの人が知っているか。日本の植民地時代、朝鮮半島で起きたことについてはどうか。ゼミでは、我々のガイドブック的な「知識」あるいは公式の教科書的な「歴史」から欠落した部分に目を向け、異文化理解の視点から我々の思考枠組みの転換を試みる。

参考書

未定

ゼミ生の声