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白金法学会

白金法学会論文賞

 

2022年度 白金法学会論文賞審査結果

1.総評

今年度は、次の6つのテーマから1つを取り上げ、具体的問題点を踏まえて、その法的課題や解決策等について論じて下さいというものでありました。

  ① 日本のジェンダーギャップについて
  ② 成年年齢引き下げと消費者被害の防止について
  ③ 急激な人口減少社会にどう対処すべきか
  ④ SDGsに法(学)はどのように向き合うのか
  ⑤ 司法判断と人工知能
  ⑥ 自分が最も関心ある法的または政治的な問題について(自由論題―1,2年生限定)

今回の応募総数は、テーマ①と③の2件でありました。

【審査経緯】
論文審査は、白金法学会の役員によって行われました。教員役員5名が、それぞれ審査にあたりました。審査員の評価を取りまとめたのち、新型コロナウィルス感染症拡大防止の見地から、最終審査会は教員役員によるメール稟議にて厳正な審査を行いました。その結果、下記の通り、最優秀論文賞及については該当者はありませんでしたが、奨励賞を2名の者に授与することと致しました。


【講評】

 三河さんの論文は、日本のジェンダーギャップについて、スウェーデンと比較しながら論じたもので、ジェンダーに関する様々な問題を、英語等の外国語文献も渉猟しつつ、縦横無尽に論じた意欲作です。ジェンダーギャップに関する国別ランキングで常に上位にあるスウェーデンを手放しで褒めるのではなく、スウェーデンが抱える問題にも目を向けた上で、日本はどのような社会を目指すべきかが問われていることを明らかにしています。もっとも、基本的な参考文献の欠落、問題提起と結論の不整合など、論文としての基本的なところに不十分な箇所があると言わざるを得ず、あと一歩で優秀論文賞という意味で、奨励賞に相応しいとの結論になりました。論点を絞り、深く検討する方向でバージョンアップを図れば、素晴らしい論文になるように思われます。

 相澤さんの論文は、日本で急激に進行する人口減少への対策として、女性、高齢者、外国人に着目し、韓国の取組みを参照しつつ、多様な人材が活躍できる社会を実現することの重要性を説くものです。論旨明快で、主張に説得力がある一方で、学術論文による裏付けが乏しく、奨励賞に相応しいとの結論になりました。相澤さんの論文も、学術的な検討を深めることで、素晴らしい論文になるように思われます。

2.審査結果

(1)最優秀論文賞:該当なし
(2)優秀論文賞:該当なし 
(3)奨励賞:2件

 相澤 七海(法律学科4年)『急激な人口減少社会にどう対処すべきか―深刻な労働不足と制約を受ける人々―』

 三河 眞弓(法律学科4年)『日本のジェンダーギャップについて~男女平等について、日本とスウェーデンを比較する~』
(4)参加賞:応募者全員