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白金法学会

白金法学会論文賞

2013年度 白金法学会論文賞審査結果

1.総評

今年度の論文賞は、下記の5つのテーマ(⑤のみ1,2年生限定)から一つを取り上げ、具体的問題点を踏まえつつ、原因、解決策等について論じてもらうものでした。
① 日本のエネルギー政策をめぐる法的または政治的な問題について
② 児童虐待、子の奪い合い、親権のあり方など、子の福祉をめぐる法的または政治的な問題について
③ 憲法96条の改正に関する法的または政治的な問題について
④ 震災またはその復興における政治的または法的な問題について
⑤ 自分が最も関心ある政治的または法的な問題について(自由論題・・1,2年生限定)

 応募総数は全体で7件あり、その内訳は、テーマ①が1件、テーマ②が2件、テーマ③が3件、テーマ④が1件、テーマ⑤が0件でした。昨年に引き続き、今年度も応募者が多数であったことから、以下の段階を経て審査を行うこととしました。

【審査経緯】
 まず、教員役員とOB役員が1名ずつ一つのグループとなり、テーマ①と③、テーマ②と④をそれぞれ審査しました(10月8日)。そこで提出された順位を元に、再度教員役員3名が審査を行いました(10月9日実施)。
 厳正な審査の結果、残念ながら最優秀論文賞の該当者はいませんでしたが、以下のとおり優秀賞1名(村上未萌氏)が決定されました。以下はその講評です。

【講評】
 まず提出論文全体の講評ですが、形式面で大変残念な論文が見られました。それは、文献参照がインターネットのみの論文、研究論文を1本も見ていない論文、剽窃(文献の丸写しやインターネット上の情報のコピペ等)がある論文です。特に剽窃はもってのほかです。また章立てがなく読みにくい論文も見受けられました。次にテーマ選定ですが、本論文賞では「法的または政治的問題について」扱うことを要求しています。ところが題材は面白いものの、アプローチ面で法的あるいは政治的な問題に全く触れていない論文が多く見受けられました。さらに論理構成の面では、自分の思いは強く表現されているものの、根拠が提示されていない論文も多く見受けられました。
 法学部では、学科ごとに論文作成に当たっての心構え、技術を教える科目を必修としています(法律学科:法学基礎演習、2年次演習、消費情報環境法学科:法情報処理演習、政治学科:アカデミックリテラシー、基礎ゼミ等)。論文提出の際には、ぜひ学んだことを生かして執筆してほしいと思います。

 こうした中で、優秀賞に選ばれた村上未萌氏の論文ですが、論文の形式面(参考文献の引用、章立て等の構成等)、文章の読みやすさのほか、以下の点が評価されました。具体的には、「国際的な子の連れ去り」「ハーグ条約」批准の是非という現在大きな注目を集めている問題に取り組み、膨大な資料を収集し分析した上で、一つの論文にまとめ上げている点、内容的にも、複雑なハーグ条約の概要や問題点がわかりやすく解説されており、読み応えがある点、情報の寄せ集めではなく自身の言葉で記述しようとする姿勢が見て取れる点、です。他方、最優秀には至らなかった点として、以下の指摘がありました。まず論文の目的が「子の連れ去りが増加している原因と、その解決策を探ること」と提示されているものの、論文の大半はハーグ条約の内容と条約批准をめぐる議論の紹介に当てられ、提示された問いに十分答えられていない点です。また、ハーグ条約締結はすでに国会で承認されており、条約実施のための関連国内法も整備されていますが、その最終的な法律の内容について論文で言及がないことの指摘もありました。本論文の内容・構成に鑑みれば、返還拒否事由の内容等について最終的に日本政府がどのような態度を採ったのかについては、記述すべき重要な情報と思われます。コメントを参照しながら、ぜひご自身の論文を見直してみて下さい。


2.審査結果

(1) 最優秀論文賞:該当なし
(2) 優秀論文賞:1件
  村上未萌(法律学科3年)
(3) 奨励賞:該当なし
(4) 参加賞:応募者全員