皆さん、法学部に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。弁護士や検察官、裁判官などの法曹をめざすというイメージ、あるいはどこか堅いイメージをお持ちかもしれません。もちろん、法曹を養成するのも法学部の大きな使命ですが、それは一つの側面に過ぎません。私たちの周りは、いろいろな面で法律に関係して成り立っておりますので、広く法律やその形成過程である政治を学んで社会に出ることに重要な意味があります。
大学の建学の理念であるキリスト教主義教育の伝統にのっとり、弱者に優しいまなざしを向けながら法学や政治学の専門性を身につけてほしいと考えています。“Do for Others(他者への貢献)”が本学の教育の理念です。これは、創立者のヘボン博士が生涯にわたって貫いた精神で、“Do for others what you want them to do for you”「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」という新共同訳「マタイによる福音書」7章12節の言葉が元になっています。法律や政治を学ぶ者は、弱者、困っている人の力になり世の中の役に立つという姿勢が大切です。
「法律は技術である」といわれます。また法律は政治の過程により作られています。英語をマスターするのと同じように、法律を技術として身に付けその形成過程を知ると、それを活かして自分の人生で使っていくことができます。今は企業のコンプライアンス(法令遵守)が重視されて多くの企業で法務部を置くなど、法的にものを考える能力が求められる場が大きく広がっています。皆さんも法学部に対する固定観念を捨てて、身近で役立つ武器を身につけてみませんか。そこから思いもよらなかった世界が開けてくるかもしれません。