経歴
2019年 4月 明治学院大学 法学部 法律学科入学
2022年 3月 3年次早期卒業
2023年 4月 慶應義塾大学大学院 法務研究科入学
2023年11月 司法試験合格(在学中受験)
インタビュー
勉強方法に「正解」があるわけではありませんし、それぞれの人に合った方法があると思います。ここでは、一例として、私の司法試験合格までの勉強内容を紹介させていただければと思います。
学部時代
私は、学外の時間で自習をすることはほとんどなく、必要最低限の勉強しかしませんでした。というのも、どのような知識が必要でどのように勉強すればいいのか全く分からなかったため、取っ掛かりがつかめませんでした。そのため、授業時間でできる限り吸収することに努め、わからないところは授業中に基本書を読んで理解するなどして、基本的には大学の授業のみで勉強を完結させていました。定期試験対策は、試験の一週間前から三日前にレジュメや基本書で試験範囲を確認する程度で、問題集を解いたりはしていませんでした。ただ、重要判例などについては要点を意識して抑えるなどメリハリはつけていました。
専門演習は科目にもよりますが、予習は該当部分の基本書や判例を確認する程度で、基本的には授業内完結を目標に取り組んでいました。特に自身で答案の書き方等を勉強はしませんでしたが、定期試験や法曹コース指定科目の授業を通じて、何となくではありますが、自然と身についた気がします。また、同じ法曹コース生の人たちの答案を見る機会もあったのでその点についても非常に参考になりました。
ロースクール進学決定後は、市販の論証集を購入し、これまであまり意識していなかった論文対策をしようと試みましたが、答案を書くことなどはせず、通読するにとどまり、完全に読み物と化していました。
大学院時代
基本的には学部時代と同様、授業を中心とした勉強を続けました。ただ、授業のレベルも上がったため、それに伴い予習もするようになり、勉強の質や量も圧倒的に変化しました。復習については、いわゆる論点の要点を抑え、答案で表現できるように論証集の加筆修正を主として行っていました。
司法試験の過去問に初めて取り組んだのは、試験の約半年前からで、周りの人たちと比較すると遅い方だったと思います。過去問の取り組み方としては、答案構成または答案を作成し、出題趣旨及び採点実感、市販の解説本を参照し、論点の整理、論証の加筆修正を中心に取り組んでいました。15年分ほどの過去問に目を通しましたが、取り組み始めたのが遅いこともあり、余裕のあるスケジュールではなかったため、実際にフルスケールの答案を書いたのは1、2年分くらいだったと思います。
学部時代から司法試験合格まで、予備校の講座や模試を受けることはありませんでした。
伝えたいこと
問題を解くにあたって、ある程度の知識・理解がなければ答案を書くことはできませんが、どれだけ理解していても答案で表現できなければ、採点者には伝わりません。しかし、問題を解かなければ、答案を書くうえで必要な知識もわからないままになってしまいます。最初のうちは、基本書や論証集を参照しながらでも構わないと思いますので、できる限りアウトプットを意識して勉強してみてください。そうすることで、ご自身の理解が不足している部分や必要な知識の濃淡も自然と浮かび上がってくると思います。