2021年度法学部・法学研究科入学式の法学部長祝辞
法学部長の今尾です。
新入生の皆さん、明治学院大学法学部へのご入学、誠におめでとうございます。 また、保証人の皆さまにおかれましては、ご子息、ご息女の本学へのご入学を、心よりお慶び申しあげます。
今年度も、新型コロナウィルス感染症の影響拡大の継続に伴い、入学式典、学科別の新入生ガイダンス、新入生研修会等は、オンラインによる視聴という形態をとらざるを得ませんでした。これは、大学として、関係する皆さまの健康面、安全面を考慮し、感染防止・リスク回避のため、苦渋の決断であることをご理解ください。新入生および保証人の皆さまにとっては、大学生活の出発として、最初の晴れ舞台を大変楽しみにしておられたと思いますが、このような事情をお汲みくださり、ご海容のほどお願い申しあげます。
さて、法学部を代表して、一言、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
法学部では、本学の建学の精神であるキリスト教主義の教え、「Do for Others (他者への貢献) 」の理念に則り、法学や政治学の教育を行っております。
学生が社会に出たとき、正義・公平・弱者救済の見地から賛成できない場面に直面したとき、「声」をあげる勇気をもった人材の育成を目指しております。そのために、法学や政治学をとおして、社会のルールや仕組みについて学び、それらを使いこなす知識と思考力・判断力を身につけることを教育目標としております。つまり、こうした能力を駆使して、「気概」と「志」をもって社会に貢献できる人材を養成しているというわけです。世の中が変わっても、こうした人材が求められることに変わりはありません。実際、本学法学部の卒業生は、民間企業、公務員・NPO・政界、法曹・士業、自ら起業をするなど、様々な分野で活躍しています。皆さんも、こうした先輩達に続くべく、大いに学問に励んでください。
そこで、本日は、法学部への入学に際し、「知らざるを知らずとなせ」という教えを紹介し、これからの学業の指針としていただきたいと思います。
これは、『論語』の為政篇において、孔子がその弟子の子路に薫陶した言葉です。
「子曰く、……汝に之を知るを誨(おし)えんか。之を知るを之を知るとなし、知らざるを知らずとなせ。是れ知るなり、と」。意訳すれば、「お前に“知るとは何か”について教えてあげよう。自分の知っていることは知っているとし、知らないことは知らないとする」、すなわち「知らざるを知らずとなせ」、これこそが「知るということだ」という教えです。
17世紀のフランスの哲学者であり数学者のパスカルも、「無知を恐れるな。偽りの知識を恐れよ」と述べ、孔子と同じことを言っております。「知っていること」と「知らないこと」との区別を明らかにすることの大切さを説く言葉です。「偽りの知識」は、いくら積んでも何の役にも立たない、確実な知識のみが力になるという教えです(以上は、村山吉廣『論語名言集』〔中央公論新社、1999年〕222頁から引用・参照)。
法学部の学びの中で、こうした皆さんの力となり得る「真実の知識」を習得し、法学・政治学を武器に、「Do for Others」を実践できる人になっていただきたいと思います。
大学の4年間は、長いようで短い時間です。この間に、「自分をどう磨き、光らせるか」は、皆さん次第です。将来を見据えて大学生活を有意義に送ってください。あらゆる可能性が皆さんの前に広がっております。
あらためて、ご入学、おめでとうございます。
2021年4月2日
法学部長 今尾 真
以上
今年は入学式が12時30分からで、その後に学科ガイダンスが行われました。
消費情報環境法学科ガイダンスは3101・3102教室で行われました。
グローバル法学科ガイダンスは1201教室で行われました。
政治学科ガイダンスは1101教室で行われました。