2023年3月22日(水)15時15分~17時15分、白金キャンパスにて、いずれもドイツ、ミュンヘン大学法学部のアルミン・エングレンダー教授とトリアー大学法学部のティル・ツィマーマン教授をお招きして、法学部学術講演会が開催されました。
近年、ヨーロッパでは環境活動家の過激な行動が問題になっているというニュースを、皆さんも耳にしていると思います。そこで今回の講演では、環境活動家による行動が、気候変動を止めるための緊急避難として刑法上正当化されるか、というテーマを取り上げました。エングレンダー教授からは、ある活動が緊急避難として正当化されることを認めたドイツの最新判例が紹介され、これに批判的な私見が展開されました。また、ツィマーマン教授には、エングレンダー教授の講演に対するコメントをしていただきました。出席した学生たちからの質問にも明快に答えて下さり、最先端の議論が行われたと確信しています。
今回のテーマは、刑法の解釈にとどまらず、刑事訴訟法、民法、憲法、あるいは環境法にも関連し、グローバルな社会問題として、従来の気候変動政策の妥当性も問われるものです。本学法学部が、法律学科だけではなく、消費情報環境法学科、グローバル法学科、政治学科を設置している意義は、今回の講演からも明らかでしょう。皆さんが、本学法学部で最先端の法的問題を学び、より良い社会を構築する一員となって活躍されることを願っています。
(文責・小島秀夫)