政治学科所属
溝渕 正季 准教授 MIZOBUCHI, Masaki
担当科目
【担当科目】入門政治学、政治社会学入門、政治社会学、政治学基礎演習、演習・卒業論文
専攻・研究分野
中東地域研究、国際安全保障論、比較政治社会学
最近の研究テーマ
中東の政治・軍事・安全保障問題、中東をめぐる国際関係、イスラーム政治など
主な発表論文・著書
- 「レバノン・ヒズブッラーと『抵抗の枢軸』」『中東研究』第550号(2024年5月)。
- 「アラブ諸国の武器市場と防衛装備国産化の動向:サウジアラビアとUAEを中心に」『国際安全保障』第51巻第4号(2024年3月)。
- 「なぜ米国はイラクに侵攻したのか?開戦事由をめぐる論争とその再検証」『国際政治』第213号(2024年3月)。
- 「ハマス・ヒズボラ『抵抗の枢軸』とは何か:中東における親イラン勢力の成り立ちと動向」『外交』第83号(2024年2月)。
- 「協調か競合か:中東地域秩序をめぐる米中間の角逐」『防衛学研究』第68号(2023年3月)。
- 「交錯する権力政治と共振する脅威認識:流動化するペルシャ湾岸地域秩序と『アドバンスド・スルタニズム』論の可能性?」『広島平和科学』第44号(2023年3月)87-103頁。
- 「サウジアラビア」川名晋史編『世界の基地問題と沖縄』(明石書店、2023年1月)。
- 「アンサールッラー(フーシー派)とイエメン戦争の軍事的評価」『中東研究』第545号(2022年9月)。
- “How did Muhajiroun become Jihadists? Foreign Fighters and the Geopolitics of the Conflict in Syria,” in Jasmine K. Gani and Raymond Hinnebush, eds., Actors and Dynamics in the Syrian Conflict’s Middle Phase: Between Contentious Politics, Militarization and Regime Resilience (St. Andrews Syrian Studies) (London: Routledge, 2022).
- スティーブン・M・ウォルト(今井宏平・溝渕正季訳)『同盟の起源』(ミネルヴァ書房、2021年12月)。
- 「外交:シリア内戦に見る米国覇権の黄昏」末近浩太編『シリア・レバノン・イラク・イラン』(ミネルヴァ書房、2021年2月)。
- 「サウジアラビアにおける米軍基地と基地政治」川名晋史編『基地問題の国際比較:「沖縄」の相対化』(明石書店、2021年1月)。
- “Strategic Asset or Political Burden? US Military Bases and Base Politics in Saudi Arabia,” in Shinji Kawana and Minori Takahashi, eds., Exploring Base Politics: How Host Countries Shape the Network of U.S. Overseas Bases (Routledge Advances in International Relations and Global Politics) (London: Routledge, 2020).
- 「戦略的資産か政治的負債か?サウジアラビアにおける米軍基地と基地政治」『国際安全保障』第47巻第3号(2019年12月)。
- 「国際政治のなかのイスラーム主義:アメリカのオリエンタリズムと『非リベラルな覇権秩序』の行方」高岡豊・溝渕正季編『「アラブの春」以降のイスラーム主義運動』(ミネルヴァ書店、2019年3月)。
- 「冷戦終結以降の中東地域秩序と米国:地域安全保障複合体(RSC)の議論を手掛かりとして」川名晋史編『共振する国際政治学と地域研究:基地、紛争、秩序』(勁草書房、2019年1月)。
ゼミについて
テーマ
変革期社会の比較政治社会学
概要
本ゼミでは、主にアジア・アフリカ諸国で頻繁にみられる政治・社会問題について、理論と実証の両面から考えていきます。主権国家として独立してからまだ100年も経過していない、依然として変革期にあるそれらの国々では、欧米諸国とは大きく異なる問題にたびたび出くわします。たとえば、極端に低い武力行使のハードル、頻発する戦争・内戦、頑健な権威主義と自由や民主主義の不在、軍の頻繁な政治介入、ポピュリズムの台頭、宗教の巨大な政治・社会的影響力、腐敗や汚職、経済発展の遅れ、といった問題です。もっとも、こうした問題は、近年、成熟した民主主義体制を備えていると思われた欧米諸国でも次第にみられるようになってきました(その意味で、本ゼミでは、変革期にある社会・国家であれば地域を問わず研究対象とします)。いずれにせよ、ゼミで具体的に取り上げるテーマや文献については、参加学生と相談の上で決定します。
同時に、本ゼミでは、問題の発見方法、自分なりの問いの立て方、文献読解・資料調査の方法、論理的思考、英語文献の読み方など、大学卒業後も引き続き必要不可欠となるスキルについてもあわせて学習します。また、他大学との合同ゼミやゲスト講演なども適宜取り入れていきたいと思います。
参考書
・フランシス・フクヤマ(会田弘継訳)『政治の起源:人類以前からフランス革命まで(上・下)』(講談社、2013年)。
・フランシス・フクヤマ(会田弘継訳)『政治の衰退:フランス革命から民主主義の未来へ(上・下)』(講談社、2018年)。
・ダロン・アセモグル/ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍訳)『国家はなぜ衰退するのか:権力・繁栄・貧困の起源(上・下)』(早川書房、2013年)。
・アントニー・D・スミス(庄司信訳)『ナショナリズムとは何か』(筑摩書房、2018年)。
・クリストファー・ブラットマン(神月謙一訳)『戦争と交渉の経済学:人はなぜ戦うのか』(草思社、2023年)。