政治学科所属
中谷 美穂 教授 NAKATANI, Miho
慶應義塾大学大学院法学研究科修了 博士(法学)
担当科目
【担当科目】政治学基礎演習,政治心理学,政治過程論、政治意識論,社会調査論,演習
【オフィスアワー】毎週火曜日、場所:教員ラウンジ(授業時に要予約)
【政治心理学の概要】政治的アクター(市民や政治家)の政治行動を心理的側面から解釈するための諸理論を学ぶとともに、これらを応用して現代日本を分析する視座を養います。
専攻・研究分野
政治行動論、政治心理学
最近の研究テーマ
人々の意思決定プロセスへの公正さ認識に影響を与える要因について
主な発表論文・著書
著書
- 「第10章 地方自治」上神貴佳・三浦まり編『有斐閣ストゥディア 日本政治の第一歩<新版>』有斐閣、2023年。
- 「第4章 政治参加と政治文化」『政治学の扉―言葉から考える』風行社、2015年。
- 「第8章 投票参加の現状と課題~若者の投票率はなぜ低いか~」『はじめての政治学ーポリティカル・リテラシーを育てる』風行社、2010年。
- 『地方分権時代の市民社会』(共著)慶應義塾大学出版会、2008年。
- 『日本における新しい市民意識―ニュー・ポリティカル・カルチャーの台頭』慶應義塾大学出版会、2005年。
- 「日本における情報公開と住民意識」『地方自治体をめぐる市民意識の動態』小林良彰編、慶應義塾大学出版会、133-160頁、2005年。
論文
- How do political decision-making processes affect the acceptability of decisions? Results from a survey experiment, International Political Science Review, Volume 44, Issue 2, 2023
- 「どのような意思決定過程を公正とみなすか:性差に注目して」『法学研究』第112号、97-133頁、2021年。
- 「何が地方議会への信頼を決めるのか?―手続き的公正に注目したシナリオ実験による検証-」慶応義塾大学『法学研究』第93(1)号、229-257頁、2020年。
- 「初めての投票をいかに説明するか―期待価値理論を用いた投票参加モデルの提示」『法学研究』第104号、247-286頁、2018年。
- 「非有権者の投票意欲の規定要因について―動機づけにおける期待価値理論を用いた分析―」『法学研究』第101号、161-189頁、2016年。
- 「住民参加・行政参加改革に関する日韓比較」『法学研究』95号、77-127頁、2013年。
- 「投票啓発活動の政治意識に対する効果ー横浜市明るい選挙推進協議会意識調査結果からー」『法学研究』第92号、91-125頁、2012年。
- 「政治的代表の役割に対する認識比較ー2県のデータを中心にー」『法学研究』第90号、447-480頁、2011年。
発表
- 「どのような意思決定過程を公正とみなすか:性差に注目して」日本政治学会研究大会 A7【研究交流委員会企画】 地方政治レベルにおけるジェンダー、オンライン、2021年9月。
- 「政策決定過程が議会信頼に与える影響について:シナリオ実験を用いた検証」日本選挙学会2019年度研究会 分科会N(政治参加部会)「政策決定過程における市民参加」東北大学、2019年7月。
- How do Political Decision-making Processes Affect the Acceptability of Decisions: Results from a Survey Experiment, School of Politics & International Relations Seminar Series, Australian National University, 2019.
- 「若者の投票率はなぜ低いのか」日本学術会議公開シンポジウム「若者の投票率をいかに向上させるか~選挙権年齢の18歳への引き下げに寄せて」明治大学、2015年7月。
- 「住民参加・行政参加改革に関する日韓比較」日本政治学会研究大会・分科会E-3 地方における行財政改革の日韓比較(日本政治過程研究会企画)、九州大学、2012年10月。
雑誌寄稿
- 学会展望「政治社会論」『年報政治学2022-Ⅱ』243-247頁、2022年。
- “What happened when Japan lowered the minimum voting age?”, East Asia Forum. 21.10, 2017.
- 「主権者教育はどうあるべきかー政治参加研究の視点から」『都市問題』106号、24-29頁、2015年。
- 学会展望「行政学・地方自治」『年報政治学2011-Ⅱ』234-236頁、2011年。
- 「情報公開制度とNPC」共著『地方財務』ぎょうせい、2003年1月号、207-224頁。
- 「住民投票運動とNPC」共著『地方財務』ぎょうせい、2002年9月号、141-153頁。
- 「自治体の支出選好と高齢者福祉」共著『地方財務』ぎょうせい、2002年5月号、92-106頁。
- 「行政改革と市町村合併」共著『地方財務』ぎょうせい、2002年3月号、232-249頁。
ゼミについて
テーマ
様々な政治現象・公共政策のあり方に対する「なぜ」に向き合う
概要
本ゼミでは、皆さんが持ち寄る政治現象や公共政策に対する「なぜ」に取り組むためのツール(問題解決手法)を学び、それらの問いに向き合います。特に日本の国・地方レベルの政治過程(有権者の行動・政治家や政党の行動・メディア報道のあり方など)、公共政策のあり方に軸足を置いて研究していきます。
例えば日本では女性議員の割合が少ない状況にありますが、これは「なぜ」でしょうか。現段階で「なぜ」という問いに至っていない人でも、現状は「どうなっているか」という疑問を持つことは可能でしょう。各都道府県市区町村で女性議員の割合は「どうなっているか」です。もし自治体ごとに違いがあるのであれば、「なぜ」違いが生じるのだろうという問いが出てきます。公共政策に関しても、例えば子どもの貧困(「子ども」と「貧困」の定義が必要)の状況は「どうなっているのか」。過去と比較して拡大しているならば「なぜ」かといった具合です。なお、本ゼミでは、「研究」を、社会をより良くしていくための手段とみなしていますので、個々人が持ち寄る「問い」については、興味があるからという理由だけでなく、それを明らかにする社会的な意味についても説明を求めています。本
ゼミの目標は、皆さんが問題解決手法を取得し、社会に出てから直面する様々な問いに取り組んでいけるような力を身に付けることです。
ゼミの進め方ですが、まず問題解決に至る一連の流れをテキストや論文を用いて学び、前期の終わりから後期には、自分なりの「問い」に挑んでいきます。またゼミでは前期、後期通じて、自分の考えを他人に理解してもらう場、他人との意見交換ができる場も多く設けています(3・4 年の研究交流会、他大学との合同ゼミ、他ゼミとの研究発表会など)。なぜなら、社会に出てからの問題解決には、より多くの人との協力が必要となるからです。そのほか、OB・OGとのつながりも大事にしています。年1 回はOB・OGとの交流会を開催しています。
参考書
授業内で適宜指示します。