法律学科所属
福田 清明 教授 FUKUDA, Kiyoaki
担当科目
【担当科目】民法総則1,民法総則2、債権総論1、債権総論2、演習1
【オフィスアワー】
時間:学期期間中の月曜日の昼休み(12:35~13:25)。メール予約は不要。
場所:白金校舎7号館の個人研究室。訪問を受けた後で場所を白金教員ラウンジに移動することはある。
【主要担当科目概要】
債権総論1は、民法399条から民法399条から426条までを対象とし、債権総論2は、民法427条から520条を対象とする(有価証券のところはやらない)。債権の発生原因から切りは離された成立した債権の内容、効力、譲渡、消滅、および担保に用いられる債権を扱うと言われるが、初心者にはちんぷんかんぷんでしょう。契約が守られなかった場合契約を遵守している当事者が、どのような条件を満たすことで何を請求できるようになるかを学びます。また、お金を借りた人が返済しないことでお金を貸した人が損をしないように、返済を肩代わりして返済してくれる人を立ててもらうにはどうすればよく、その肩代わり人はどのように責任を果たし、借金をした本人から最終的に補填をうけることができるかを、条文を使って細かく勉強します。条文とその具体例を対で頭に入れましょう。
専攻・研究分野
民法(財産法)
最近の研究テーマ
- 債権者に与えられる救済手段が、債権者にも問題がある場合に受ける影響。
- 改正民法(債権法)改正の検討、特に債務不履行、解除を中心した部分について。
主な発表論文・著書
著書(2000年以降)
- 『マルシェ民法総則』第2版 嵯峨野書院2006年(本書の「第5章法律行為」と「第6章意思表示」を分担執筆した。139~198頁)。(共著)
- 円谷峻・松尾弘編集代表『損害賠償法の軌跡と展望[山田卓生先生古稀記念論文集]』日本評論社2008年(本書の527~544頁に「費用賠償請求権について――債務不履行に基づく損害賠償のもう一つの可能性――」と題する論考を執筆)(共著)
- 石崎泰雄・渡辺達徳編著『民法講義 2 物権・担保物権』成文堂・2010年(本書の「先取特権」232~265頁を執筆した。)(共著)
- 『事例で学ぶ債権総論』法学書院2011年(執行秀幸との共著)
- 『市民法の新たな挑戦――加賀山茂先生還暦記念――』信山社2013年(本書の15頁~42頁に「ドイツのレラチオーンステヒニクと民法教育」と題する論考を執筆)(共著)
- 沖野真己、笠井修、銭偉栄編集『比較民法学の将来像 岡孝先生古稀記念論文集』勁草書房2020年(本書の273~296頁に「契約上の債務が原始的不能の場合の損害賠償について」と題する論考を執筆)(共著)
- 磯村保ほか編著『法律行為法・契約法の課題と展望』成文堂2022年(本書の295~317頁「双務契約の法定解除の効果ーー損害賠償と併存可能な解除ーー」を執筆)(共著)
- 高須順一ほか編著『民法学の伝統と新たな構想 ― 宮本健蔵先生古稀記念』信山社2022年(本書の93~112頁に「双務契約上の役務提供債務の不完全な履行による2種類の損害賠償(民法415条)と追完請求の優位性」を執筆)(共著)
論文(2000年以降)
- 「日独における社団と組合の峻別論の発展――民法上の組合の権利主体性を中心に」明治学院論叢『法学研究』72号(2000年)1~25頁
- 「ドイツ新民法典284条の費用賠償請求権」明治学院論叢『法学研究』74号(2002年)1~24頁
- 「現行の弁済提供制度の解消と新たな債務不履行免責制度の導入」『明治学院大学法科大学院ローレビュー』21号(2014年),79~107頁
- 「国際物品売買契約に関する国際連合条約80条を導入する場合の諸問題」『法学新報』122巻1・2号(2015年),763~798頁
- 「一般法人法における理事の代表権の制限に関する規律 ――判例の承継及び代理法への関連づけという観点から――」『明治学院大学法科大学院ローレビュー』24号(2016年),79~101頁
- 「民法761条の果たしている機能から導かれる同条廃止論」 明治学院論叢『法学研究』104号(2018年)173~211頁
- 「改正民法543条が担う課題」<研究ノート>『東洋法学』 61巻3号(2018年),333~350頁
- 「改正民法415条の『履行に代わる損害賠償』と『その他の損害賠償』について――双務契約上の債務の不履行による損害賠償に関連して」『名城法学』69巻1・2号(2019年)147~168頁
ドイツ語での論文等(1991年から現在まで)
- Kiyoaki FUKUDA, Entstehung und Entwicklung der Verkehrssicherungspflichten für Grundstücke in ihren einzelnen Elementen (Diss.) Marburg, 1991, 214S.
- Die Entwicklung der Bauwerkhaftung in Japan im Vergleich zur deutschen Lösung, IN: Brücke für die Rechtsvergleichung. Festschrift für Hans G. Leser zum 70. Geburtstag (hrsg.von Olaf Werner, Peter Häberle, Zentaro Kitagawa, Ingo Saenger ) Mohr Siebeck 1998, S.355-369.
- Bankauskunft in Japan –System und Haftung im Vergleich zum österreichischen Recht, Bank Archiv (ÖBA), Juli 2000 (48. Jahrgang), 551-566.
- Rechtsfähigkeit der Personengesellschaft im japanischen Recht – Entwicklung der rezipierten deutsch-rechtlichen Lehre in Japan im Vergleich zur Entwicklung des deutschen Rechts – Festschrift für Peter Schlechtriem zum 70. Geburtstag, hrsg. von Ingeborg Schwenzer und Günter Hager, Mohr Siebeck, 2003, S.795-S.815.
- Japanische Entscheidungen zum Bürgerlichen Recht;1. Allgemeiner Teil und Sachenrecht in Deutscher Übersetzung mit Rechtsvergleichenden Kommentierungen. (Schriftenreihe Japanisches Recht; 2) hrsgegeben von Eisenhardt, U., M. Ishibe., T. Isomura., Z. Kitagawa., J. Murakami et H. G. Leser, H.-P. Marutschke (Nr. 48, Nr. 49, Nr. 50の判決を(340- S.399)を、Hans-Peter Marutschkeと共に担当して翻訳した。) Carl Heymanns Verlag, 2004.
その他(2000年以降)
- 判例研究 「東京高判平22・11・25判時2107・116(民事)」『明治学院大学法科大学院 ローレビュー』17号(2012年)61~72頁
- 翻訳 インゴー・ゼンガー「ドイツ法曹の再教育と専門化 上・下」『法律時報』83巻4号(2011年)61‐66頁、83巻5号(2011年)104~110頁
- 翻訳 European Group on Tort Law,『Principles of European Tort Law, Text and Commentary』Verlag Österreich、2005(欧州不法行為法グループの欧州不法行為法の諸原則を英語から日本語に訳した。本書230頁~236頁)
- 翻訳 ユルゲン・バセドウ編『ヨーロッパ統一契約法への道』法律文化社2004年(本書第10章ヘルムート・コチオール「ヨーロッパ統一契約法とドイツ損害賠償法」を日本語に翻訳した。257~279頁)
- 「追悼 ハンス・G・レーザー教授」『明治学院大学法科大学院ローレビュー』23号(2015年),145~152頁
- 判例批評「社会福祉法人理事選任紛争の場合における任期伸張規定の類推適用の可否」判例評論710号(判例時報平成30年4月1日号)18~24頁
ゼミについて
テーマ
民法の改正点を事例で学ぶ
概要
(1)ゼミの最初の数回は、教科書1を輪読する。報告者はレジュメを出す。話しやすいテーマでゼミになれてもらう。
(2)数回後のゼミから2020 年 4 月 1 日施行の改正民法の改正点の幾つかを,教科書2を用いて、事例で学ぶ。債務不履行法を中心とする。教科書2に掲載されている個別テーマの設例を学生に報告してもらう。報告に関して私が履修者全員に質問をするので、回答してもらう。参加学生の質問は常に歓迎である。
(3)ゼミの最終盤は、学生が改正民法における特定の改正点を選んで、その「改正の趣旨、改正の経過、改正の評価」をプレゼンしてもらう。この部分は、プレゼンの練習も兼ねる。
参考書
教科書1 吉野源三郎 著『君たちはどう生きるか』岩波文庫(他の出版社からもでているが岩波のものを購入すること。岩波のものには丸山真男がこの著作に寄せた文章が掲載されているからである。) 1982 年 11 月 岩波書店 970 円+税
教科書2 潮見佳男ほか編 『Before/After 民法改正 第2 版』弘文堂 2021 年3300 円+税。
教科書2についての参考書1 松岡・松本ほか編『改正債権法コンメンタール』法律文化社2020 年(購入する必要はない)
教科書2についての参考書2 磯村保 著『事例でおさえる民法 改正債権法』有斐閣2021 年(購入する必要はない)
教科書2についての参考書3 森田宏樹 監修『ケースで考える債権法改正』有斐閣2022年(購入する必要はない)