政治学科所属
久保 浩樹 准教授 KUBO, Hiroki
担当科目
【担当科目】政治制度論、アメリカ政治論、計量政治分析、政治学基礎演習、フィールドワーク、政治学演習1、政治学演習2、卒業論文
専攻・研究分野
比較政治、アメリカ政治、現代先進国の政党と選挙
最近の研究テーマ
これまで、いろいろなテーマの研究を発表してきましたが、政治制度と政党政治の比較分析という点で、約20年間、一貫して研究を続けてきました。現在は、アメリカの議会政治と対外援助に関する日本語の単著を公刊する準備を進めています。
今後は、現代先進民主主義国におけるイデオロギー的分極化と政治代表の実態を、有権者と政治家の相互作用という観点を重視し、政治制度論と政治行動論の2つの領域を政治学方法論の立場から統合的に分析し、データをもとに経験的に解明することを研究の中心的課題としたいと考えています。
主な発表論文・著書
発表論文(英語)
- “The Impact of Bicameral Incongruence on the Legislative Productivity” Meiji Gakuin Law Journal 118, (2025) 321-342.
- “Ministerial Selection under Abe, Suga, and Kishida” in Pekkanen, Robert J., Steven R. Reed, and Daniel M. Smith. eds. Japan Decides 2021 : The Japanese General Election. New York: Palgrave Macmillan (2023) 149–163.
- “Party Switching and Policy Disagreement: Scaling Analysis of Experts' Judgment.” (with Tomoko Matsumoto and Kentaro Yamamoto) Japanese Journal of Political Science 23 (3) (2022) 254-269.
- “Measuring and Explaining the Complexity of Left-Right Perceptions of Political Parties.” (with Royce Carroll) Electoral Studies 71 (2021).
- “The Logic of Delegation and Institutional Contexts: Ministerial Selection under Mixed-Member Systems in Japan” Asian Journal of Comparative Politics 4 (4), (2019) 303-329.
- “Measuring and Comparing Party Ideology and Heterogeneity.” (with Royce Carroll) Party Politics 25 (2), (2019) 245-256.
- “Polarization and Ideological Congruence between Parties and Supporters in Europe.” (with Royce Carroll) Public Choice 176, 1–2, (2018) 247–265.
- “Explaining Citizen Perceptions of Party Ideological Positions: The Mediating Role of Political Contexts.” (with Royce Carroll) Electoral Studies 51 (2018) 14–23.
- “The Impact of Bicameralism on the Disproportionality of Cabinet Portfolio Allocation.” Japanese Political Science Review 3 (2016), 127–145.
発表論文(日本語)
- 「ニクソン政権下の対外援助政策と連邦議会、1969-1974年」『法学研究』第111号、2021年8月号、139-168頁。
- 「アメリカ外交における議会・政党要因―ケネディ・ジョンソン政権の対外援助政策、一九六一~一九六八年 (3・完)」『法学論叢』 第168巻、第3号、2010年12月、104-125頁。
- 「アメリカ外交における議会・政党要因―ケネディ・ジョンソン政権の対外援助政策、一九六一~一九六八年 (2)」『法学論叢』 第168巻、第2号、2010年11月、95-121頁。
- 「アメリカ外交における議会・政党要因―ケネディ・ジョンソン政権の対外援助政策、一九六一~一九六八年 (1)」『法学論叢』 第167巻、第5号、2010年8月、126-149頁。
教科書・概説書
1.「選挙制度と政治代表」『政治学の扉 増補改訂版』(風行社、2021年3月)、149-186頁。
2.「比較政治制度分析から見たアメリカ政治」『初めての政治学 増補第3版』(風行社、2020年9月)、211-240頁。
翻訳
- 粕谷祐子・原田勝孝・久保浩樹(訳)(2018) 「社会科学のためのデータ分析入門」(Quantitative Social Science: An Introduction; by Imai, Kosuke)岩波書店(第6章後半、7章、8章担当)
書評、解説など
- 「どこで分極化が起こっているのか?―選挙区事情から見たアメリカの下院議員選挙と分極化」『明治学院大学法律科学研究所年報』 第35巻、2019年7月、3頁。
- 「書評 松本俊太『アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか』」『図書新聞』、2017年3月18日。
- 「書評 増山幹高『立法と権力分立』」『選挙研究』第32巻2号、2016年12月、108-110頁。
ゼミについて
テーマ
現代世界における議会・政党・選挙
概要
このゼミでは、現代の私たちが生きる社会、とりわけ民主主義的な政治制度の根幹をなす議会制度と選挙制度について世界全体の中での比較という視野から理解を深めることを目的としています。
たとえば、選挙がどのような仕組みやルールで行われているのか?世界各国で行われている主な選挙制度である小選挙区制、比例代表制、混合選挙制の違いは何か?日本での中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への変化の効果は何か?今後新たな別の選挙制度の選択肢は存在するのか?冷戦終結前後に新たに民主化した地域ではどのような選挙制度が採用され、どのような効果を上げているのか?などを考えます。
また、日本の国会ではどのように審議や議論が行われているのか?二院制や委員会や本会議の役割は何か?野党の質問や首相の答弁にはどのような意味があるのか?議会の仕組みを変えることは審議や法案成立にいななる影響をもたらすのか?日本の国会の制度は海外の議会制度とどこが異なるのか?などを考えます。
最後には、皆さん自身が参加している選挙に基づいて営まれている民主主義という仕組みを直感や体験や断片的な情報ではなく、国際的な視野の中で論理と証拠に基づいて皆さん自身で政治や選挙について判断できるようになることを目的としています。
参考書
宇野重規著『民主主義とは何か』(講談社、 2020年)
大林啓吾、白水 隆編著『世界の選挙制度』(三省堂、 2018年)
荻上チキ編『選挙との対話 』(青弓社、2024年)
久保慶一、末近浩太、高橋百合子著『比較政治学の考え方』(有斐閣、2016年)
砂原庸介著『民主主義の条件』(東洋経済新報社、2015年)
建林正彦、曽我謙悟、待鳥聡史著『比較政治制度論』 (有斐閣、2008年)
中北浩爾著『自民党』(中央公論新社、2017年)
ゼミ生の声
・2018年度ゼミ生
・2019年度ゼミ生
・2020年度ゼミ生
・2021年度ゼミ生
・2022年度ゼミ生
・2023年度ゼミ生
ゼミ生の卒業論文タイトル一覧
・一期生(16JP)2020年卒業
⽇本とイタリアの選挙制度の⽐較
18歳選挙権からみえる民主主義の本質
自民党はなぜ長期政権を維持し続けてきたのか
なぜ若者の投票率が低いことが問題なのか:生徒会は主権者教育の手段としてなり得るか
・二期生(17JP)2021年卒業
なぜ若者の投票率は低いのか
戦後の日本政治からみる自民党の長期政権
・三期生(18JP)2022年卒業
いかにして若年層の低投票率を改善できるのか
政治主導の変遷に関する研究
女性の政界進出を促すにはどうすべきか
・四期生(19JP)2023年卒業
比例代表制への改革
コロナ渦の政治と選挙の研究
・五期生(20JP)2024年卒業
若者の投票率の向上に義務投票制を
ウェストミンスター・モデルは現代イギリスに不適合か否か
マスメディアの様々な影響
生活困窮者への自立就労支援の取り組みと地方分権
1950年代アメリカにおける若者文化
民主主義の衰退は止まるのか
日本に必要とされている強いリーダーシップ
LGBTに対する偏見の目は何故無くならないのか
若者の政治参画
・六期生(21JP)2025年卒業
日本版シリコンバレーを作るための政治的要件と実現可能性
習近平は台湾侵攻を決めるのか
合併パターンが財政に与える影響:合併前の人口規模格差と合併方式による類型化をもとに
政治が音楽に与える効果:第二次世界大戦戦時期と復興期におけるフランス、ドイツの音楽政策比較
日本にとって米軍基地は不可欠な存在なのか?:米中競争の視点から
政権交代:なぜ民主党政権がうまく運営できなかったのか?