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教員インタビュー

STORY

消費者法の世界へ、ようこそ

消費情報環境法学科所属

ふくしましげひろ
慶應義塾大学法学部法律学科卒。都内の法律事務所で弁護士として働いた後、2013年10月から2022年3月まで、任期付公務員として消費者庁で勤務し、消費者契約法等の企画・立案を担当。2022年4月、本学に着任。専門は消費者法。

消費者である私たち

今年のゼミ生が作ってくれたゼミの紹介に、次の言葉がありました(2022年度ゼミ生一同 )。「私たちが生きる中で絶対に行っていること・・・それは『消費』です。いくら社長になっても、総理大臣になっても、お金を払って何か買い物をすることは絶対にあります!」私のゼミに所属している学生なので、自画自賛のようになってしまうのですが、上手なことを言うなあと感心しました。私たちは、生きている限り、何らかの形で消費をしており、私たちはみな消費者なのです。

消費者法を通じて、社会や自分自身について考える

一回きりのお試しだと思って買ったら実は定期購入だった、子どもが誤っておもちゃを飲み込んでしまったなど、私たちの身近なところで様々な消費者問題が起きています。そして、消費者問題の一つ一つに、その問題を引き起こす原因となった社会的な背景があり、また、不十分かもしれませんが、その問題に対応する法律があります。社会で起きている消費者問題について解決策を考えることは、結局、どういう社会が望ましいのかを考えることに繋がり、更には、社会の中で自分はどう生きたいのかという大きな問題へと広がっていきます。

講義では、様々な消費者問題について、法的な解決方法を学ぶだけではなく、その問題の背後にある社会的な事情にも踏み込み、どのような解決が望ましいのかを考えるきっかけになるよう心掛けています。これに対し、ゼミは、ゼミ生が主体的に社会や自分自身について深く考える場であってほしいと考えており、ゼミ生が具体的な消費者問題について解決するための立法提案を行い、私も含め、皆で議論しています。

より良い消費者法の実現を目指して

最後に、再び、ゼミの話をしたいと思います。春学期のゼミで、食品ロスの問題を取り上げました。その際に、私は、概要、以下のような話をしました。食品ロス削減推進法という法律が2019年にできて、消費者庁が所管(担当)しているのだが、そもそも食品ロスは消費者法の問題なのだろうか。消費者法の主眼は、消費者の安全や安心を確保することだ。食品ロスは、未来のために、消費という消費者の行動を制限するものだから、消費者法よりも、環境法などの別の法分野で取り上げるべき問題ではないだろうか。

秋学期のゼミでは、ゼミ生が具体的な消費者問題を取り上げて発表するのですが、ゼミ生の一人が、食品ロスの問題を取り上げました。発表の内容は、そのゼミ生がスーパーマーケットでアルバイトをしている経験を踏まえ、食品ロスの問題も消費者法が取り組むべき課題であることを、具体的に詳細に、熱く、説くものでした。私が話したことを、そのまま鵜呑みにするのではなく、本当かなと疑問に持ち、真摯に考えて大きく育ててくれたことが分かり、感銘を受けました。本学に着任してから最もうれしい出来事でした。

学生のみなさんと接していると、様々な場面で、本当に頼もしいと思います。私は、学生のみなさんからの刺激も燃料にしながら、より良い消費者法の実現を目指して、研究を進めているところです。この文章を読んでいる方の中には、高校生も多いのではないかと想像しています。キャンパスでお会いできることを期待し、とても楽しみにしています。