授業を大いに満喫し、力を伸ばしてほしい。
2017年4月に、明治学院大学法学部に着任しました。専門は国際法で、とくに国際海洋法(海の利用のあり方についての国際法)や国際環境法(国際的な環境問題の防止やそれへの対応のあり方などについての国際法)を研究しています。最近は、海洋の科学的調査や海洋生物資源・非生物資源(魚や海底鉱物資源など)の探査・開発・保存・管理に関心をもっています。
2017年3月までは、2年間、東京六本木にある国立大学法人・政策研究大学院大学(大学院のみの教育研究機関)で、主に外国政府から派遣された行政官の大学院生を対象に、国際法、国際海洋法や海上法執行についての授業を担当していました。「授業」ではあるのですが、「90分間、静かに授業を聞くのはムリ」という意欲的な(?)大学院生たちでしたので、基礎的な・正確な知識の確認はしつつ、大学院生たちのそれぞれの主張を整理して、つないで、全体の議論を深めていく、コーディネーターのような役割をすることがほとんどでした。毎回の授業で何がでてくるかわかりませんので、できるだけひろく準備して授業にのぞみ、それぞれの主張をなんとかうまくつなげられるように、またこちらが考えている毎回の授業のねらいが達成できるように、すいぶん力をいれて授業していました(大変でした)。
学生とともに歩み、さまざまなリアルを経験。
その前は、大学院卒業後の2005年4月から10年間、広島県呉市にある海上保安大学校(国土交通省海上保安庁の幹部候補生学校)で、国際法、国際海洋法や海洋環境法についての授業を担当していました。授業以外にも、学内にある寮で学生・研修生と寝食をともにしたり、学生たちの遠泳(5マイル=約9.2キロ)訓練を支援したり、ラグビー部の練習に参加したり、国際法に興味をもった学生たちと「国際法模擬裁判」という大学生が集う大会に参加(他流試合への参戦!)したりしていました。
また、ちょうど日本の周辺海域、アジアの海(中国の南シナ海への進出など)や世界の海(ソマリア沖・アデン湾の海賊行為、日本の「調査」捕鯨に対する「環境保護団体」による妨害行為など)の情勢が厳しくなっていく時期に在職していましたので、広島・東京・諸外国をいったりきたりしながら、海上法執行やひろく海洋安全保障にまつわるさまざまな経験をしました。
実践的な法的知識と英語力を身につけて、国内外で活躍する人材に。
グローバル法学科では1年次春学期のグローバル法入門1のほか、国際法、国際環境法、国際海洋法なども担当しています。
明治学院大学法学部は熱心に授業に参加する・課題に取り組む学生が多いと感じています。まずは基礎的な・正確な法的知識を習得してもらうことを大事にしつつ、さらにその先に進めるように、グローバル・フィールドでの卒業生の活躍を楽しみにしながら、いろいろと工夫してやっていきたいと思います。