明治学院大学法学部の一番の特長は、学生が、明学らしい自由な雰囲気の中でいきいきと学び、研究していることです。学問の自由、ひいては、人間は誰もが自由であるという理念を尊重した教育を行っています。
これまで法学部は、“つぶしがきく学部”と言われてきました。それはつまり、ものの見方や捉え方など、合理的・論理的に考えられるようになる学問であるということです。明学法学部では、つぶしがきく学生ではなく、バラエティに富んだ授業で幅広い思考能力を身につけ、社会で役立つ人材、自らが目指す将来に近づける人材を多く輩出しています。
現在、法律学科、政治学科、消費情報環境法学科、グローバル法学科と4つの学科がありますが、4学科の互換性も高く、講義も学科間を行き来できるのも特長です。法曹・法律系の資格取得希望者のみならず、学生一人ひとりの将来の進路や希望に合わせてカリキュラムを組める体制を整えています。
法律は、実は私たちの生活ととても密接なものです。日常には、そこらじゅうにトラブルの種が転がっています。その解決策や対応を学ぶ学問が法学です。例えば、私が担当している民法はいわば、困っている人の救済に役立つ実学です。単に法律の条文をあてはめるだけでは救えなくても、条文の文言の捉え方を変えることで、別の結論を導き出し、救うことができる。問題を解決するための学問でもあり、それは、実生活にも役立つものです。
法学は、とても歴史ある学問です。その原理・原則は、古代ローマ時代にまで遡ります。つまり、ある意味、人間にとっての普遍的な学問でもあるのです。いつの時代も変わらない普遍性を学ぶことは、とても興味深いものです。
大学選びで大切なことは、大学のブランドやイメージ、所在地といったこと以上に、自分が将来、進みたい方向に応えてくれる大学かどうか、ということです。今はまだ、将来なんて決められないという人もいるかもしれませんが、漠然とでもいいから「こういうことをしてみたい」というイメージを描いて、大学を選んでほしいなと思います。そうして選んだ学校であれば、自ずと、道は開かれます。
もちろん、将来の夢や希望する進路は変わることもあります。でも、今の自分はどこに進みたいか、という思いを大事にしてほしい。すべてはそこから始まりますから。
実は私自身は、大学受験生の時は文学部のフランス文学科志望でした。残念ながら、憧れのフランス文学科には合格できず、もう一つ興味のあった法学部に進学しました。
法律を研究している時、世界三大法典の一つとされるナポレオン法典(フランス民法典)に触れる機会がありました。小説『赤と黒』を書いた作家、スタンダールが「ナポレオン法典は名文である」と書いていたことを思い出し、原文を読んでみると、趣がある文章でとても面白かった。そんなところで、フランス文学志望だった当時の夢をささやかながら叶えていたりもします。
つまり、夢の叶え方は決して一つではなく、幾通りもある。個々の夢へアプローチするバリエーションを学べる場所が、明学法学部だと自負しています。
大学4年間は、社会に出る前の準備期間です。様々な仲間と出会いながら、自分の夢や希望を実現するための知識、技術、幅広い視野を真剣に学ぶ機会を、自分の意思で選択する場所です。だからこそ、自分に合った大学を選んでほしいですね。可能なら、オープンキャンパスや模擬授業、文化祭など在学生と交流できる機会があれば足を運び、その大学の雰囲気を感じることも、間違いのない大学選びにつながると思います。